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タイニー・かんぱにー~憑依研究編~ ログ 【小悪魔の想い】 [edit]

【タイ兄さん】
 ……。
【オリヴィア】
 この前からずっとこんな感じですね。
 時々思い出したように何やら指示を出して来たり
 するんですけど、こっちの話は聞こえているんだか……。

それは困るね……
→ところでその服は?

ところで、その服はどうしたの?
といつものやり取りをしてみた。
【オリヴィア】
 あはは、やっぱそのいつものやり取りが来てくれると
 なんか落ち着きますねー。
 
 これはですねー、今回は気合を入れてみました!
 「マーセナリーベスト(黄)」と「マーセナリーパンツ(黄)」の
 上下揃いに、「炎鉄の靴」を組み合わせた傭兵風ファッションです!
 ……いいじゃないですか、インドア派だってこういう服着ても。
 
 実際に防御力がある、という訳ではないですけど、
 なんといいますか、こう心身がピシッと引き締まるような
 感じがありますね。本当に傭兵軍とかに行ったら半日も持たず
 脱落する自信がありますけど!

→どうしたもんだろうね。

困ったものだね、と同意をした。
【オリヴィア】
 全くです。
 カグヤさんが来た時以来、次元断層に関わる
 大きな事件は起きていませんけど……。
 でも、先輩はその前に私のお洋服に関して
 もうちょっと興味を持ってくれてもいいんじゃないかなー
 ……って思うんですけど、どうでしょう?
 
 やっぱりいつも通りの言葉のやり取りって大事だと思うんですよね。
 という訳で聞かれてもいないのに解説しますとー、
 今回は傭兵風がテーマです、ええ、別に私戦う職業ではないですが、
 ファッションですから。
 
 足元を「炎鉄の靴」でがっちり固めて、
 「マーセナリーベスト(黄)」と「マーセナリーパンツ(黄)」で
 揃えてみたんです。
 ふふふ、腕利きの傭兵……う、なんかかっこよさげな呼び名とかを
 考えてみても、案外出てこないものですね。今のは無しで……。

→共通

【ワルキューレ】
 小さな断層が時折自然発生するみたいに出現しては、
 誰かがちょっと行って壊して帰ってくるだけ……。
 安定と言えば聞こえはいいけれど、退屈ね。
【モックー】
 やっぱ何かどっかーんって大事件が起きる方がいいよね、
 飽きないし!
【カグヤ】
 平穏が一番です。特に、次元断層に関しては。
 ……そう言えば、混成騎士団の皆さんから何か情報は
 入ってきているのでしょうか?
【ガイドマシーン】
 定期報告はありマますが、今の所、例の人物の
 目撃情報も無い状態ですね……。
【ワルキューレ】
 退屈は魂を堕落させるわよ?
 むしろ、こちらから何か仕掛けるとか出来ないのかしら?
【オリヴィア】
 ううん……混成騎士団の皆さんに探してもらって
 いるので、何もしてないわけでは無いんですけどね……。
 結果が出ていない、という意味ではその通りですが。
【ガイドマシーン】
 ああ、そうデした。
 ○○さん、オリヴィアさん。
 代表がこの状態なのですが、実は先ほど依頼がありまシて。
 どう処理したらイいものかと……。
【オリヴィア】
 え、依頼?
 さっき次元断層の事件は起きていないって……。
【ガイドマシーン】
 次元断層の話ではなクですね。
 憑依研究に関わる話なので、こちらに話が
 回ってきたんでスよ。
【オリヴィア】
 ……そう言えば、私達は元々憑依に関する
 研究をしている部署でした!
 最近は次元断層の話ばかりで、すっかりその事を
 忘れそうに……。
【モックー】
 なんか言ってる メガネの人のことは置いとくとして、
 ノーザンで何があったの? 事件? 事件?
【カグヤ】
 ガイドマシーンさん、その依頼内容とは何か事件性が
 あるものなのでしょうか?
 憑依に関わる話とは……。
【ガイドマシーン】
 ハい、実は現在ノーザンプロムナードでは、
 人が入れ替わってしまう、という事件が起きているのだと
 言う話なのデす。……ええト、詳細に言いますと、
 体と心が他の人と入れ替わってしまう、デすね。
【ワルキューレ】
 あら、面白そうね。
 例えば、モックーの体にオリヴィアの魂が
 入ってしまう……とか、そういう事?
【モックー】
 うえ~、それは勘弁してほしいなー。
 人間の体に入りたくはないよ、
 せめてカグヤにして。
【オリヴィア】
 普通、他人の体に入りたいとは……まぁ、私も
 もう少し背が高ければとか思わないわけでは
 無いですけど……他人の体に入りたいとは
 思いませんね。
【ワルキューレ】
 意外と面白い経験ができるわよ?
 個人ごとの鍛錬の差とかもわかるし……とはいえ、
 それができるのは今の所私達だけかしら?
【カグヤ】
 他人の体を使うのは、あまり推奨できません。
 同意を得ていると言っても、その間の時間を損失させて
 しまうわけですから……。
【オリヴィア】
 ……そう言えば、神憑依されている間って、
 体を乗っ取られている人の時間はどうなってるんでしょうね?
 意識はあるんでしたっけ?
【ワルキューレ】
 意識を保てるのは、意志力の強い相手だけね。
 大抵は気絶……というか、出てこれなくなるわね。
 何処かの誰かみたいに、奪われた身体の支配権を
 自力で取り戻そうとした例はほとんど見ないし……。
【ガイドマシーン】
 大変興味深い話ですガ、それはまたあとデ。
 現地でも原因調査をしているようですが、こちらにも
 調査の手伝いをシてほしい……という依頼です。
 
 代表がこの状況なので……
 ○○さんにばかりお願いするのも
 いささか気がひけるのですケれども、この手の事件に
 抜群に強いので、現地に行っていただけマせんか。
【オリヴィア】
 あ、ノーザンに行くんですよね!?
 経費出ますよね、私も行きます!
 いいですよねタイ兄さん、え、返事がないという事は
 問題がないってことですよね。
【ワルキューレ】
 面白そうね、私も行くわ。
 カグヤ、モックー、貴方たちも来なさいな。
 色々面白い物が見れるかもしれないわよ?
【モックー】
 人間いっぱいいるとこ?気は進まないけど、
 ここにいても退屈するだけならその方がいいや。
 よし、行こー!
【カグヤ】
 モックー、遊びに行くわけではありません。
 ノーザンは寒い所のようですから、防寒の備えを
 忘れないようにしないと。
【オリヴィア】
 リヴァイアちゃんには出る前に話をしておけばいいし、
 後はホワイトファング先輩に管理を頼めばきっと
 何とかなりますよね。
 ガイドマシーン先輩、後はよろしくお願いします!

ノーザンプロムナードに……
→移動開始!

【カグヤ】
 はい、マスター。
 これよりノーザンプロムナードへのナビゲーションを開始します。
 ……あ、その。マスター……で、いいですよね?
【タイ兄さん】
 ……やっぱ、つじつま合わんな。
 あいつらが何かしでかしたっちゅーなら、ノーザンでまず
 何かあるやろし……。つまり、エンシェントアークは
 この件には関係ないってこっちゃな……。なら、誰や?
 ……。
【???】
 最初は、豊かであることに驚いた。
 それは有限ではあったけれど、私はそれに憧れた。
 次に、穏やかであることに驚いた。
 全てではなくとも、そうあろうとする姿に敬意を抱いた。
 
 あれは輝ける日々、忘れえぬ黄金の日々。
 全てを失ったはずの私に与えられた、大事な日々。
 与えられるだけの自分に、引け目があったことは言うまでもない。
 それが、あのような事になってしまうとは。
 
 私に体を貸し与えてくれた人々には、感謝の念しかない。
 友として接してくれたことに、生きていく手助けをしてくれたことに、
 ほんの少しでも恩返しをしたかった。
 この世界に、私が与えられるものは少ししかなかった。
 
 ……わかっていても、抗えず。ただ時間だけが過ぎていく。
 失ったもの、過ぎ去っていったもの、無くしたくなかったもの。
 全ては砂のように、この手から零れ落ちていく。
 ただ一人で残されて、私は楽園から逃げ出したのだ。
【カグヤ】
 ここがノーザンプロムナード……。
 ガイドマシーンさんから地理情報は教えていただいたので、
 知識的な物についてはある程度ご案内できます。
 ただ、この世界に慣れていない私から見ると、このノーザンは
 非常に不思議なところの多い国ですね……。
【モックー】
 そーなのかー。
 寒いのとか、なんでこんな地下に住んでるのとか、
 不思議と言えば不思議だけどさ。
【オリヴィア】
 地下に都市を作ったのは、ノーザンが非常に寒く、
 吹雪による被害を避け、温度を一定に保つため……はくしょん!
 とはいえ、それでも寒いですね、これ……!
 ううう……コート持ってくればよかった……。
【ワルキューレ】
 私に体を使わせれば、一時的に寒さは感じなくなるわよ?
 ……もっとも、オリヴィアの体は鍛えられていないから
 その後どうなるかの保証はできないけれど。
【カグヤ】
 オリヴィアさんは温かい飲み物などで体を温めたほうが
 良いかと思います。プロムナードに酒屋は二件……
 そう、そうでした。ここはプロムナードであって、
 市街地に入る前の場所。ノーザンは国民以外は北軍入隊者であっても
 市街地に入ることができない、と伺っています。
 
 それに、市街地から外に出てきた人というのもまず
 会ったことがない……と、ガイドマシーンさんから伺いました。
 ノーザンの方は、あまり旅行をしないのでしょうか?
【オリヴィア】
 そんなことは……あ、でも知ってるノーザンの人で、
 プロムナードに住んでない人っていないかも……。
 この前会ったメイドさんも、プロムナードのお屋敷に
 お勤めしてるって言ってたっけ。
【カグヤ】
 オリヴィアさんもご存じないのですね……。
 マスターは……え、ああ、そうですね。
 まずは依頼されていた調査を優先しましょう。
【ワルキューレ】
 まぁ、地味だけれど必要な所よね。
【オリヴィア】
 一段落したら憑依の調査に回ろうと思ってたけど……。
 聞き込みって……意外と、疲れるんですね……。
 疲れたし、成果もないし……。
【モックー】
 オリヴィアはだらしないなー。
 アタシはぴんぴんしてるってのにさ。
 ……まぁ、聞き込み結果は一緒だけど。
【カグヤ】
 噂は聞いたことがあるけど、実際に遭遇したことは無い、
 という方がほとんどですね……。
【ワルキューレ】
 鈍感なものよ、案外。
 目の前に危機が訪れない限り、実感なんてわかないわ。
 僧兵隊の見習いが頑張って調べてるらしいけど、見つかって
 ないからこちらに依頼が来たのでしょうし……。
【???】
 待てっ!
 そこを動くんじゃないぞ!
【カグヤ】
 声の発信源は、あっちです。
 何が……。
【鎧姿の女性】
 おとなしくしていれば危害は加えない。
【追われている様子の少女】
 えー……だってぇ~。
 なにそれ、こわぁ~い!
【モックー】
 ねえねえ、どっちに味方する?
【オリヴィア】
 そういう問題じゃないような……。
【ワルキューレ】
 あの鎧姿の方、割と使えそうね?
 洗練されてはいないけど、鍛えられてはいるみたい。
【カグヤ】
 近接戦闘の訓練は、それなり以上に積んでいるように
 推測されますね……。それにしても、対する少女は
 あまりに無防備に見えます。
【オリヴィア】
 先輩、これどうしたもんでしょう……?
【追われている様子の少女】
 キャー! 助けて~!!
 悪い人にさらわれちゃう~!
【鎧姿の女性】
 なっ!?
 何を言っているんだ!!
【モックー】
 なんだーあっちが悪い方なんじゃん。
 ならやっちゃおう! さくっとパリッとやっちゃおー。
【追われている様子の少女】
 きっと私が可愛いから、攫われて売り飛ばされちゃうのよー!
 やだー、ヘンターイ!
【鎧姿の女性】
 な、何を言うんだ!
 いい加減にしないか、コラッ!
【ワルキューレ】
 あら、この状態だとどちらが悪いのか
 判断が付けられないわねぇ?
【オリヴィア】
 え、どう見ても小さい子の方が茶化し……
【モックー】
 大声で女の子を怒鳴りつける方が悪く見える。
 でもー、どっちが悪者なんだろー?
【追われている様子の少女】
 悪者はきっとあっちよー♪
 助けてー!
【オリヴィア】
 先輩、このノリに最後まで付きあうのはダメではないかと……。

ところで……
→何故この子を追っているの?

そもそも、何故この少女を追っているのかと
鎧姿の女性に確認してみた。
【鎧姿の女性】
 え、ああ。
 なんと言ったらいいか、上手く言えないのだが……。
 この子の悪戯で、人の心だか魂だかを入れ替えられてしまう
 という事件が……。
【モックー】
 あれ、それってアタシ達が調べてる事件じゃない?
【鎧姿の女性】
 もしや、貴女達は話に聞いたタイニー・かんぱにーの?

→君の身分の保証はできる?

鎧姿の女性に、身の証を立てるようなものは
あるのかと確認してみた。
【鎧姿の女性】
 え、ああ!
 私はまだ見習いではあるが、ノーザンの僧兵だ!
 真偽を問うならば、詰所まで来てくれればいい!
【ワルキューレ】
 一切ためらわない……これは真実みたいね。
【鎧姿の女性】
 見習いとはいえ、仮にも騎士だ!
 嘘偽りは一切言わない。

→共通

【追われている様子の少女】
 (あっ、これはまずいかも……)
【モックー】
 へへーん、鬼さんこっちらー……って、逆かー。
【オリヴィア】
 荒事は苦手ですけど、この程度なら……。
【鎧姿の女性】
 もう逃げられないぞ、観念するんだ!
【追われている様子の少女】
 わ、わ、暴力はんた~い!
 もー、ちょっと遊んでるだけなのに、ケチ!
 アンタ達なんか、こうよっ!
【オリヴィア】
 今の、何だったのでしょ……って!?
 私が、いるっ!?
【鎧姿の女性】
 くっ、何をした!?
 馬鹿な、体が小さく……!?
【モックー】
 おおっ!?
 すっげー、背が高けー! 何これー!
【追われている様子の少女】
 ふふーん、今がチャーンス♪
 お先に失礼しま~す……って、なんで!?
【ワルキューレ】
 ……何があったかは予想がついたけど、ねぇ?
【カグヤ】
 あいにく、私達には……。
【追われている様子の少女】
 もう一回、えいっ!
【追われている様子の少女】
 何コレ!? どういうことっ!?
【カグヤ】
 皆様とは身体の作りが違いますので。
【ワルキューレ】
 憑依体である私達には、位置が入れ替わるだけという訳ね。
 貴方に恨みは無いけど、この調査のために来たのだし
 さっさと終わらせるに限るわ。
【追われている様子の少女】
 うわ、やっばーい……。
【年老いた女性の声】
 (なんだいなんだい、起きてみりゃこの有様かい。
  目ぇ閉じな、リリム)
【ワルキューレ】
 ……っ? 今の声は……!?
【年老いた女性の声】
 やれやれ、世話がかかる子だよまったく。
【カグヤ】
 目標喪失。逃げられましたが……質量の変化が確認
 されました。あの少女は……おそらく、通常の人間を
 憑代にして実体を得ている神魔の様です。
【ワルキューレ】
 どうやら、元の体の持ち主もただ身体を乗っ取られている……、
 というタイプではなさそうね。
 あの手の人間は、下手をすると表に出ている神魔より厄介ね。
 何処かの誰かみたいに……ね?
【鎧姿の女性】
 無事か!?
 済まない、私が未熟なために……。
【モックー】
 わー、自分で自分を見るって変な感じ。
【ワルキューレ】
 その外見で言われると、ややこしいわね……。
【オリヴィア】
 あっ、戻った! 戻りましたよ先輩!
 おかえり私の体ー♪
【カグヤ】
 あまり長時間入れ替わったまま、という事はなさそうですね。
 しかし……。
【オリヴィア】
 あ、そうだ。
 僧兵さん、その子はアルマって言いましてちょっと体の作りが……。
【モックー】
 え、この体もだよー。
 アルマだよね、キミ?
 ほらっ!
【鎧姿の女性】
 まて、街中で元の姿に戻ると危険だ!
 はやく元に戻ってくれないか!
【モックー】
 あ、視点がいつも通りに……。
 元に戻っちゃったのかー、がっかりだー。
【鎧姿の女性】
 やっと元に戻れた……。いや、ご迷惑をお掛けした。
【オリヴィア】
 まさかアルマが国に仕えているとは……。
 いえ、うちで働いてくれているアルマがいるんだから、
 充分にあり得る事、なんですよね。
 
 それにしても、魂が入れ替わる事件の調査に来て、
 真っ先に犯人に遭遇するとは思いませんでした……。
【鎧姿の女性】
 ん、もしかして……。
【ワイルドドラゴ】
 成程、先輩方から聞いた外部の調査隊とは
 貴女達のことだったか!
 私はワイルドドラゴ。協力させていただきます。
【カグヤ】
 話はちゃんと通っているのですね。
 ありがたい話です。
【モックー】
 ワイルドドラゴは、なんで人間なんかの中で働いてるの?
 しかも、騎士……だっけ?
 割とフシギ。
【ワイルドドラゴ】
 ああ、そうだな。
 自己紹介もかねて、その辺は伝えておくべきですね。
 
 私はマイマイ島という場所の出身だ。
 自慢ではないが、私達は体が大きく、強い生き物だった。
 他にも強い生き物はいたが、お互い強いという事を理解していた。
 だが、我々が知らない強い生き物がやってきた。人間だ。
【オリヴィア】
 マイマイ島の航路が安定して、冒険者や調査団が出入りする
 ようになったのも割と近年のことではありますね。
 その様子だと、冒険者の話題になりそうですけど。
【ワイルドドラゴ】
 あれが「冒険者」と呼ばれる人間だと知ったのは、
 私がこの人の姿を得てからの事だ。
 群れで一番大きいマザーを打ち倒すほど強いのが、
 体の小さな人間であることを知って驚き、感心した。
【モックー】
 感心?
 酷い奴らだって思わないかな普通。
【ワイルドドラゴ】
 小さい体で、自分より強い大きな体を持つ我々を
 打ち倒すくらい鍛練したんだろう。
 私は、生まれつきの強さに頼っている自分に気が付き、
 もっと強くなりたいと考えていたら、この姿になっていた。
 
 母様から、島には他にも私のように人の体を得て
 人間の世界に出て行ったものがいると聞いて話を
 聞かせてもらったり、やってきた冒険者たちに相談をして
 どうしたら強くなれるかという事を教わったんだ。
 そして、母様に相談して旅に出ることにしたんだ。
【オリヴィア】
 それで……ノーザンの僧兵に?
【ワイルドドラゴ】
 ああ。誰かを守るためなら強くなれる、という事を聞いた。
 それについては納得できた。人を守る人間の仕事というのを
 調べた所、騎士という職業があることを知ってな。
 騎士は主に仕えるらしいので、女王がいるというこのノーザンに……。
【ワルキューレ】
 ……オリヴィアの顔を見る限り、
 「間違ってないけどそう来たか」って言う
 思考経路をしてるみたいね、この子。
【ワイルドドラゴ】
 む、私は何かおかしなことを言っているだろうか?
【オリヴィア】
 いえ、その……生真面目だなって。
 それで、僧兵だったんですね。
【ワイルドドラゴ】
 女王陛下への謁見はかなったが、身元が明確ではない私は
 見習いとしてしばらく適性を見よう、という事になってな。
 それもあって、あのイタズラ者を捕まえようとしていたんだ。
【モックー】
 (わかる……あのイタズラ者の気持ち、すっごくわかる……。
  このくそ真面目なワイルドドラゴ、からかいたい……!)
【カグヤ】
 先ほどの光で、姿までは確認できませんでしたが……。
 リリムと呼ばれた神魔の憑代となった人物の、大まかな
 背格好までは特定できました。
 89%の精度で、高齢のエミル女性だと予想されます。
【ワイルドドラゴ】
 他に、何か特徴は……ふむふむ。成程。
 これでさらに聞き込みをすれば……。
【オリヴィア】
 あ、そうだ。ワイルドドラゴさん。
 こちらも聞き込みにご協力しますので、良かったら
 スペルユーザーギルドの方にご紹介を……。
【ワイルドドラゴ】
 ああ、構わない。
 ……では、これを持って行ってくれ。
 ある程度までは信用してもらえることだろう。
【オリヴィア】
 先輩、では私は憑依の研究に向かいますので、
 聞き込みと事件の解決を宜しくお願いします!
【ワルキューレ】
 仕方ないわね、探してみましょうか?
 少なくとも、探す相手の情報は前より明確になったし。
【カグヤ】
 ……集まった情報を総合すると、81%の確率で
 その老婆が問題の人物だと判断できます。
 確定ではありませんが、非常に確度の高い推測ですので、
 実際に後は現地を見てみるのが良いのではないかと。

老婆の居場所を……
→訪問してみよう

【カグヤ】
 目標発見しました……あまり、体調がすぐれないようですね。
 かなりのご高齢であると推測されます。
 ……会話しているみたいですね。音声、拡大します。
【老婆】
 ……詰めが甘いんだよアンタは、だからドジを踏む。
 痛い目を見るのはアタシの身体なんだから、
 リリム。イタズラにせよなんにせよ、次はもっとうまくやんな。
【リリム】
 もう、おばーちゃん文句ばっかり!
 そりゃ、最初は助けてもらったり体を使わせてもらってるから
 義理って奴はあるけどー、その言い方は無いと思うよ?
【老婆】
 ハ、ハ。最初の最初に、僧兵に取り付いちまって、
 ノーザンの正規兵に追いかけまわされてお祓いされかけた子が、
 随分と言うようになったじゃないか。
 
 アタシが寝てる時は体を使っていいとは言ったけど、
 アタシを牢屋にぶち込むつもりでもないんなら、
 ドジを踏むような真似はしない事だね。あの見習い僧兵や
 あそこにいた連中、多分それなりに場数踏んでるだろうからね。
 
 ……で、覚悟はできたかい?
 終わった後の体の権利はあんたにくれてやるから、
 アタシの目的に付き合ってもらう話の、さ。
【リリム】
 え~やっぱ、やめようよぉ。
 そんな危ない事、私一人じゃ無理だよぉ~。
 怪我とかしたら、傷つくのおばーちゃんの身体なんだよ?
 
 わかってるでしょ?
 私、魂を入れ替えたりとか、変わったことはできるけど
 この国の魔法使いに負けそうなくらいで、強くなんてないよ?
 そんな私が、おばーちゃんの体を守れないってば!
【ワイルドドラゴ】
 あいつ、あの老婆を心配している……。
 そうか、先日宮殿に出現した怪異とはあいつのことか!
 取り逃がしたと聞いていたが……。
 あの老婆に助けられて逃げ延びた、という事か。
 
 ……ただ迷惑な奴だとしか思っていなかったが、
 普通……じゃないか。普通の子。
 私は、少々強く怒りすぎたかもしれません……。
【モックー】
 イタズラはしてると思うけど。
【老婆】
 老い先短い命さ、惜しかぁない。
 しっかしアンタ、イタズラ者のわりにぁ度胸がないね。
 アタシがガキの頃はもっと荒くれてたもんだけどねぇ。
【老婆】
 ……っ、誰だい、盗み聞きとは行儀が悪いね?
【ワイルドドラゴ】
 失礼、盗み聞きする気はなかったのだが、
 結果的にはそうなってしまった。
 まずは謝罪させてほしい、リリムと呼ばれた少女に。
【老婆】
 ……はぁ?
【ワイルドドラゴ】
 見た所、何やらお困りの様子。
 必要であれば、私もお手伝いいたしましょう。
【老婆】
 なんだか事情はよくわからないけど、そいつはいいねぇ。
 腕もたちそうじゃないか。
【リリム】
 でも、おばーちゃんあぶないってば!
 危険なとこなんでしょ?
【ワルキューレ】
 へぇ、何か危険な試練に赴くというならば、
 介添人くらいは努めてあげるわよ?
【カグヤ】
 どうしましょう、マスター?
【モックー】
 なになに、なんだが面白そうだなー!?
 呼ばれた気がする!!

ここはやはり……
→老婆を手伝うと伝える

事情は詳しくわからないが、老婆の決心は固いようだし、
自分たちも手を貸そう、と伝えた。
【ワイルドドラゴ】
 それはありがたい、感謝します。
【リリム】
 ちょっとぉ、勝手に話を進めないでよ!
 だって、すっごく危ないのよ!?
一人で危険な所に行かせるよりは複数人で行く方が
まだ危険は減らせる。それに、リリムではおそらく
老婆の意思を変えられないだろうから……と説明した。
【リリム】
 う……それは、その。
【老婆】
 アンタの負けだよ、リリム。
 すっかり言い負かされてるじゃないかね。
 それに、アタシにとっても都合のいい話だからね、
 乗らないわけにゃいかないよ。
ただし、人を傷つけるようなことは無しで、と付け加えた。
【老婆】
 ふん、しっかりしてるねぇお若いの。アンタがまとめ役だね?
 アンタ、名前は何というんだい。
 ○○か、悪かない名前だね。
 それに、とぼけた顔しちゃいるが、油断ならない面だよ。
 で、人を傷つけるな……かい。それならお安い御用さ。
 行く途中で怪我をすることは十分にあり得るが、
 人を……そうだね、助けると言い張ることもできなくはないかね。
【ワルキューレ】
 その体で、危険をわかったうえで挑もうとするなんて。
 一体それはどのような難行で、何故それに挑むのかも含めて、
 詳細を教えてもらえないかしら。
 ……貴方、どうせ財宝にも栄誉にも執着はないでしょう?
【老婆】
 ……ま、そいつは道すがら教えるよ。
 行先は……おっと、ここから先は他言無用だよ?
 目的の場所と物は、この町のさらに下。
 閉ざされたノーザンの市街地のどこかにある、一冊の本さ。
 
 今じゃ出回りもしない、見向きもされない本……。
 憑依の技術が完成し、広まる前の……憑依が失敗した事例が
 記載されている「最初の本」がアタシの目的さ。
【ワイルドドラゴ】
 なっ……!?
 し、しかし市街地に入ることは禁じられて……。
【リリムと呼ばれた少女】
 (あ、さっきは手伝うって言ったのにー)
【老婆】
 騎士様に二言は無いんじゃないのかい?
 それとも、都合が悪くなれば手のひらを返すかね?
【ワイルドドラゴ】
 ……いや、手伝う。自分で言ったことだからな。
 だが、私はまだ見習いとはいえノーザンの騎士だ、
 敢えて禁止されたことを勧めたくはない。
 
 ……だから、私が頼み込んで、女王陛下に謁見をさせてもらう。
 直談判で、許可を得れば問題は無くなるだろう。
 それなら何の憂いもないし……もしそれがだめなら、
 改めて市街地に行く手伝いをすると誓おう。
【老婆】
 よし、交渉成立だね。
 リリム、後は頼むよ。最近足腰が痛くてねぇ。
【ワイルドドラゴ】
 後は……リリム。いたずらで迷惑をかけた人に対しては、
 後でちゃんと謝罪するんだぞ。
 それは約束してほしい。
【リリム】
 これが……ノーザン女王の謁見室?
 私、ここに出てこれたら面白かったのに……。
【ワイルドドラゴ】
 (こら、今は女王ヴェルデガルド様に謁見している
  最中なんだから、おとなしくしていないか。
  許可をもらうためにここに来ているんだぞ?)
【ワイルドドラゴ】
 ……改めまして、この者達をノーザン市街地に
 向かわせる許可を出していただきたいのです。
 必要であれば、私が護衛として赴きます。
 女王陛下、お願いいたします!
【女王ヴェルデガルド】
 ……私の騎士よ、偽ることなく私に許可を求めに来る
 その心、それ自体は素晴らしいものです。
 ですが、許可を出すわけにはまいりません。
 
 たとえ、何代にもわたりプロムナードに住むものであっても
 許可が出ることはまずありません。
 客人たちには、宿の手配ともてなしを与えましょう。
【カグヤ】
 ……この下に広がる広大な地下空間には、人間かどうか
 判断は尽きませんが動き回る存在の反応があります。
 人間と同程度の体格のもの、明らかに人間とは違うもの、
 ……詳細は、確認できない状態ですが……。
【ワルキューレ】
 あれに魂は無いけど、幻像にしても、良く受け答えするわね。
 遅延も見えないし、決められた受け答えだけする
 でくの坊でもない……。ホログラフってそういうものなの?
【モックー】
 ねーねー、ホログラフって?
 それにしてもでっかい女王様だなー。
 これ本当に人間なの?
【女王ヴェルデガルド】
 直接話ができないことは失礼かとは思いますが
 正確な事をお教えすることはできません。
 私はそこにいないだけであって、今もあなた方を
 見ているのです。
【ワイルドドラゴ】
 では、お答えください女王よ。
 何故、市街地に入ってはいけないのか。
 市街地の住人は、プロムナードに出てきているのか。
 そして、ノーザンの市街地には……一体何があるのですか?
【リリム】
 (ねえねえ、いいの? あのでっかい女王様、
  アンタの一番偉い上司よね?)
【女王ヴェルデガルド】
 ……私の騎士よ、それをあなたが知るべきではありません。
 まだ、ノーザンは開かれるべきではないのです。
【ワイルドドラゴ】
 しかし……!!
【リリム】
 いいよ、もう帰りましょ?
 これ以上お願いしたってダメだろうし。
【モックー】
 えっ、もう帰っちゃうの?
 もうちょっと見てたいなーでっかい女王様。
【ワルキューレ】
 モックー、こんな中身の無い物体と話していても
 何も面白く無いでしょう?さっさと出るわよ。
【リリム】
 ワイルドドラゴ、ありがとね。
 でも、もういいの。
【女王ヴェルデガルド】
 ……くれぐれも、市街地に入ろうとは思わない事です。
【老婆】
 (まぁ、結果は出たね。ならば、これ以上は時間の無駄。
  善は急げだよ。さっさと出るとしようじゃないか)
【リリム】
 ……約束、守ってくれるよね?
【リリム】
 わー、さっむーい!
【オリヴィア】
 先輩、ここどこですか!?
 何故合流するなりこんな謎な所に連れてこられたんですか!?
【リリム】
 そこのメガネの嬢ちゃん、声を落としな……だって。
 えっとね、おばーちゃんが言うには、ここが
 ノーザンの市街地のはずれの方……の、はずだって。
【オリヴィア】
 は?
 ……えーと、なんでこのイタズラの犯人の子と一緒に
 行動しているかもわかりませんけれど、ノーザン市街地って
 絶対入っちゃいけない場所じゃないですか。
 
 そんなことがうかつにばれたら大騒ぎに……。
 騒ぎに……なりますよね……?
【カグヤ】
 大丈夫です、通った隠し通路は監視されていませんでしたし、
 今も尾行されている様子はありません。
【ワルキューレ】
 動いている気配とは全く別に、魂の気配がある……。
 ふふっ。ここ、あまりまともじゃないわね。楽しみだわ♪
【モックー】
 人間……だと思うんだけど、あんま自信ないなぁ。
 それって本当に人間なのかな?
 ま、実際に見てみればわかるよね。
【リリム】
 危険なモンスターが多いから、出来るだけ見つからないように
 行かなきゃダメ……だって。おばーちゃん出てきたがってるけど、
 こんな寒い所じゃすぐに足腰ダメになっちゃうよー。
【カグヤ】
 周囲の反応を確認……強いエネルギー反応があります。
 おそらくは、敵対的な生物やモンスターでしょう。
 市街地という割には、確かに……危険すぎる環境に思えます。

どうするべきか……
→モンスターを排除するべき

先手を取って、行く先々のモンスターを排除しながら
安全なエリアを作って移動するのがいいだろう、
と判断を告げた。
【モックー】
 お、先手必勝って奴?
 意外とヤル気満々だよねー。
【リリム】
 へぇ~、腕に自信ありって感じ?
 見た目によらないのね、おばーちゃんが言った通り。
【ワルキューレ】
 良い判断ね。細かいことを言うのであれば敵の数なども
 詳細に勘案すべきだけど……勇気を示すことは悪くないわ。
 その上で生き残ることができたら、勇者になれるわよ。

→リリム達を守りながら進もう

目的はリリムと老婆を目的地まで連れて行って、
「最初の本」を見つけ出して戻ってくることなので、
出来るだけリスクを減らして、守りながら進んでいこう
と判断を告げた。
【ワイルドドラゴ】
 賛成だ。こちらも複数いるとはいえ、軍隊で来ている
 という訳ではないし、私もここは初めてくる場所だ。
 出来るだけ安全を確保していくべきでしょう。
【カグヤ】
 モンスターの数が少ないルートを検索……。
 リスクが最も少ない経路をナビゲートします、
 マスター、こっちです。
【リリム】
 へぇ~、意外と考えてるのね。
 ちょっといい感じかも……?

→共通

【オリヴィア】
 そう言えば先輩、先ほど来る途中に聞いた
 憑依の失敗を記載した本って……?
【リリム】
 おばーちゃんが探してるんだよね。
 何とか元に戻せないか、ずっと研究してたんだって。
 ……あ、よけいなこと言うなって言われた……。
【オリヴィア】
 失敗……憑依の失敗なんて、あり得るんでしょうか?
 確かに、距離が遠い場合なんかだと憑依できない事は
 ありますけど……。
 
 改めて調べなおしてはいますけど、マリオネットにだって、
 武具にだって憑依できるというのに……?
【カグヤ】
 マスター、この先に何体かのモンスターの反応があります。
 強行突破するには厄介な数かと。
【ワルキューレ】
 なら、陽動でもしておきましょうか。
 カグヤ、付いてきなさい。援護して。
【カグヤ】
 了解しました、ワルキューレさんの援護を行います。
【ワルキューレ】
 少しの間ここでおしゃべりでもして待ってて。
 騒ぎが遠くに行ったら動き出しなさい。
【リリム】
 えっとね……おばーちゃんが言うには、憑依って実は
 必ず成功するとは限らないんだって。
 本当にごくわずかな確率かもしれないけど、憑依した後に
 元に戻れなくなる……ことが、あったんだって。
【オリヴィア】
 元に……戻れなく……?
 それ、それって……。
【モックー】
 あ、音と気配が遠ざかったみたい。
 いこいこー。
【リリム】
 あ、ほんと? ならはやく行こうよ!
 こんなに寒いとしもやけになっちゃう。
【オリヴィア】
 スペルユーザーギルドでも教えてくれなかったことが、
 もしかしたらその本に……?
 それにしても、戻れなくなるって……それってつまり……。
【モックー】
 うひーっ!
 凍り付いてるけど、つるつる滑るしおもしろーい!
 モンスターもどこかに行ってるし、順調順調!
【リリム】
 おばーちゃんが言うには、多分こっち……だって。
 けっこう近いみたいね。
【ワイルドドラゴ】
 ああ待て、危ないから先行しないでくれ。
 ○○殿か、私が先に……。
【リリム】
 えっ……?
【モックー】
 目、目の前に出てきたっ!?
 そんなのありなのー!?

あぶないっ!
→リリムを守る

【ワイルドドラゴ】
 くっ、まさか虚空から現れるとは!
 リリム、他の二人も早く安全な場所へ!
 こいつは……手ごわい!
【リリム】
 そ、そんなこと言ってもアンタたちはどーすんのよ!?
【ワイルドドラゴ】
 何とか……耐えてみせるっ……!
 正直、打つ手が思いつかないが……。
リリムに、自分に対して神憑依をするように頼んだ。
【リリム】
 え、それなに!? 私がキミに憑依するの?
 でも、今この体から離れるとおばーちゃんが……。
 え、短時間なら構いやしないって、あーもう!!
 覚悟決めるわ、やるなら徹底的によ! 少し時間稼いで!
【ワイルドドラゴ】
 ○○殿、私が時間を稼ぐ。
 その間に……!
【ワイルドドラゴ】
 こっちだ!私を見ろ!
 我が斧に断てぬ物なし、このワイルドドラゴが貴君の相手だ!
 そうだ、こっちだ、こっちに注意をむけろ!
 まだ私は生きているぞ、まだ動いて、貴様を切りつけるぞ!
【リリム】
 ……えいっ!
【リリム】
 (これが……神憑依……!?
  あ、これならアレができるかも……!)
【ワイルドドラゴ】
 撤退した……。
 ふぅ、助かったようだな。
【老婆】
 ああ、おかげさまで目的の本も発見できそうだ。
 そこのちっこい子、あれに手が届くかい?
【モックー】
 なんだよー、アルマ使いが荒いなー。
【モックー】
 窓枠切っちゃっていいよね?
【モックー】
 よっと……はい、取れたよ。
【老婆】
 ああ、ありがとさん。
 いい子だねぇ、それになかなかしゃれた武器を持ってる。
 リリム、体に戻ってもらっていいかい?
 流石に、年寄りには寒さがこたえるよ。
【オリヴィア】
 私も、私にも見せていただいてよろしいですか?
【リリム】
 おばーちゃんの邪魔しちゃだめよ?
 ええと……、二冊あるわね、どっちが正解なの?
 えーと、じゃあこっちから!
【オリヴィア】
 最初は、献辞みたいですね。
 この本を誰それに捧ぐ、とかそういう奴です。
 「エミルの王族と、タイタニアの貴種の婚姻を祝い、
  小さな王女の誕生を祝い、この書物を送る」
 
 ……誰かの誕生日に贈られた本。
 ノーザン王国の誰か……なんでしょうね。
 タイタニアとノーザン王国が同盟を結んだのは
 女王ヴェルデガルドの治世か、その直前のはず……。
【ワルキューレ】
 どうやら無事だったみたいね。
 目的の物は、それかしら?
【リリム】
 うん。ふむふむ……えっと、おばーちゃんが言うにはこの本には、
 「憑依はタイタニア世界から、エミル世界の王国との盟約締結を
  記念して贈られた技術だが、この当時はまだ未完成で、
  まだ安定せず、犠牲も出た発展途上の技術」と書いてあるって。
【オリヴィア】
 今となっては信じられない話ですよね……。
 「タイタニア種族は、過去に訪れた客人からこの技術の基礎を
  伝えられ、ある一族を中心に研究を行ってきた。
  客人は体を持たぬ意志のような存在であり……」って、ええっ!?
 
 体を持たない意志のような……って、それって、
 まさに神魔そのものじゃないですか!?
【リリム】
 客人はこの世界の物質に取り付く……憑依することで、
 自らを形作った。彼女から教えられた技術を試した結果、
 タイタニアでは、憑依することまでは出来たが、元に戻る
 ……肉体を再構成できない事例があった……って。
【カグヤ】
 肉体の再構成ができない……?
 つまり、それは……肉体を失ったまま、という事ですか?
【ワルキューレ】
 私たちがこの世界に来た時と同じような状態ね。
 つまり、周囲を見ることができても意志を伝えることはできず、
 あまり遠くへは移動できず、他人から発見されることもない。
【モックー】
 動き回れないとか、あまり面白そうじゃないね。
【オリヴィア】
 ……記載を見る限り、犠牲になったのは研究の中心となった
 一族の方だったようですね。一時的に武具や衣服などに憑依を
 させたりはできたようですが、結局は……。
 
 この時、憑依が成功しやすいもの、しにくい物が大まかに
 わかってきたみたいです。今使われている憑依の部位と
 いうのは、もしかしてここからきているのかもしれませんね……。
【リリム】
 その後、魂を持たない物質に憑依をする研究を……って、
 おばーちゃん、私の中でイライラしないでよぉ。
 この本、後は武具とかに憑依することで性能が上がったとか
 そういう難しい事しか書いてないよ?
【老婆】
 もう一冊の方を見せておくれ、ああ、急ぎだよ。
 ふむ、こっちは筆跡が違うね。研究とはちょいと違うか……?
【オリヴィア】
 タイタニア種族とノーザン王国の協定が締結されてから、
 ノーザン王国内でひっそりと憑依の研究は続けられた。
 この研究が一気に進展したのは、協定の象徴たる娘、
 女王となったヴェルデガルドが研究に参加してからとなる。
 
 こっちは、歴史書に近いですね……。
 ヴェルデガルドはタイタニア世界での研究を元に、
 独自の発想を持って憑依の研究を発展させたそうです。
 えっと……その独自の発想が何かを知りたいんだけど……。
【リリム】
 もっとも難しいと思われた肉体の再構成は、後年女王が
 交流を深めていた在野の研究者の理論を取り入れ、
 一気に成功確率が上がった。女王と……あ、ここ文章が
 かすれて読めないじゃない、もう!
 
 えっと、つまりさっきいたあの女王様が、友達にヒントを
 もらって一気に体を作り直すことができるようになったって事?
【オリヴィア】
 あ、ちょっと待ってください!
 さっきの研究書の方に……あった、ええと、肉体の再構成に
 必要なものは最初はわかっておらず、本人の適性や強い意志、
 魔力によるものだと考えられていた……。
 
 ここに、別の筆跡で追記がありますね。
 「本人の意思、適正以外に必要な物。世界が持つ記録、
 他人が持つ記憶、それが個人がその個人であるために必要……」
 ううん……これだけじゃ何のことだか……。
【モックー】
 なんか難しい……ところで、リリムとばーちゃんは
 なんてしょっちゅう入れ替わってるの?
【オリヴィア】
 えっ。
 それって、もしかして……。
 か、カグヤちゃん! おばあさんに医療処置を!
【ワルキューレ】
 ……やめなさい、それは勇者に対する冒涜よ。
 彼女の望みを妨害するのであれば、私が相手するわ。
【オリヴィア】
 わ、ワルキューレさん!?
【カグヤ】
 バイタル……低下しています。
 元々、健康な方ではなかったのは承知していました。
 リリムさんが体を使っている時はちょうどよい人工睡眠状態に
 なっていたので、無事かと思っていたのですが……。
【老婆】
 いいんだよ、これで。アタシはやりたいようにやってるだけさ。
 ……槍のお嬢ちゃん、助かるよ。
【リリム】
 (えっ、ちょっとまって!? なに、どういうことなの?
  私、体を戻したつもりなかったんだけど……!?)
【オリヴィア】
 でも、それは……。
 リリムちゃんの憑代となっていたあなたは、もう憑代としての
 機能を……失いかかっているって……。
 先輩、どうしましょう、もう……
【カグヤ】
 この方の寿命は、もう尽きかけています。
 ……リリムさんが憑依していたことで、残り少ない時間を
 引き延ばしていたという事なのでしょう。
【ワルキューレ】
 勇者よ、長き戦いに敬意を表します。
 貴方の魂はヴァルハラに迎え入れられる資格がある……。
 まぁ、この世界の住人である貴方には、そんな気も
 ないだろうけれどね。……善き旅立ちを。
【老婆】
 ああ、そうだね……長かった。不満がないと言えば嘘になるが、
 一人じゃここまで来ることなんてできやしなかっただろうさ。
 助け方がわかれば……いや、それはアンタらに期待するよ。
 まぁ……オチとしては悪かぁないさ。
【リリム】
 (ちょっと! ちょっとまってよ、嘘でしょ!?
  どうして!? 私が取り憑いてるのよ! ねえ、ねえ!)
【ワイルドドラゴ】
 ……もう、いなくなってしまうのですか。
 リリムには、どう伝えれば……。
ワイルドドラゴに、リリムは憑依体としてまだ
この場にいるだろうことと、こちらに声が届かない
だけであることを伝えた。
【ワイルドドラゴ】
 そうなのか……リリム!
 私の体を使え、お前はこの場にいるべきだ。
【リリム】
 おばーちゃん!!
 なんでよ、約束が違うじゃない!
 寝てる時は体を自由に使っていいから、お前に体を
 貸し与えてやるって……契約不履行じゃん、これ!
【老婆】
 ……はっ、僧兵に追われて泣きじゃくってた小娘が、
 いっちょ前に言うようになったじゃないか。
 契約はいつまでとは言わなかったろう? ここで打ち切りさ。
 こき使ってやりたかったが、これで自由の身ってこった。
 
 アタシは無くした大事な物を取り戻すために、アンタを利用した。
 アンタは安全と行動の自由を得るために、それに乗った。
 ただそれだけだ、ああ。まるでガキの頃に戻ったみたいな
 騒々しい日々だったけど……それだけなんだよ、リリム。
 
 こっから先はアンタ一人。アタシはもう世話してやれないよ。
 ただ……よかったじゃないか、アタシ以外にも友達ができて。
【リリム】
 なっ……!?
 ふ、ふーんだ! 自由の身になって清々するわよ!
 料理を作れ、洗濯をしろ、買い物に行ってこい、
 こんな……こんな雑事を押し付けられなくなって……。
【老婆】
 はぁ、まだ未熟だね。
 強がりを言う時にはせめてニヤリと笑うもんさ。
 ○○、あとメガネの嬢ちゃん。
 悪いけど、この本と、この都市と……この子を頼むよ?
【リリム】
 なっ、誰が……。
【カグヤ】
 生体反応が消失しました。
 肉体は……この場所に働く何らかの力によって
 何処かに持って行かれたようにも思えます。
【リリム】
 ……。ふ、ふん!
 好き勝って言って、わがまま放題で人をこき使って……。
 これで、こっちも好き勝手に……できる……。
【モックー】
 えっと……、うん。
 ……あー、なんかもやもやするね……。
【ワルキューレ】
 モックー、無理に喋らなくていいわよ。
 リリム、あの老婆は自分の戦いに挑み続けた。
 望んだかはわからないけれど、貴方は勇者の介添人として
 立派に役目を果たしたわ。……良くやったわね。
【カグヤ】
 申し訳ありませんが、再び大型の何かが接近してくる事が
 高確率で予想されます。オリヴィアさんの体温もかなり
 下がってきていますので、即時の撤退を進言します。

その前に……
→リリムに声をかける

リリムに、自分たちの所に来る気はないかと声をかけた。
【リリム】
 えっ……。
 いいけど、この体は返してあげないとかわいそうだし、
 誰の体を借りれば……?
【オリヴィア】
 それに関しては、いいものがありますから!
 ご安心くだ……ハックション!
 うう、そろそろ寒さが限界です……。温かいスープ飲みたい……。
【リリム】
 ……ふふっ、仕方ないわね。
 なら、お邪魔してあげるわ♪

(荷物が一杯の時)

荷物が多い……
一度、荷物整理をしてから改めて
話を聞いた方がよさそうだ。

(通常時)

【リリム】
 わ、この体軽ーい!
 こういうのもあったんだぁ……。
【オリヴィア】
 そう言ってもらえれば何よりですよー。
 それにしても、アクロポリスの暖かい事……やっぱり
 ノーザンは寒かったですね、ええ……くちゅん!
【リリム】
 ふふっ、まぁ私くらいになるとね?
 こう、周りが放っておかないというか~。
 とりあえず、これからよろしくね?
 あー、こっちはいい所ねー。空も青いしあったかいし。
 あの堅物にも教えてあげたいところだわ♪
【ワイルドドラゴ】
 失礼する、傭兵集団タイニー・かんぱにーとは
 こちらでよろしいだろうか……と、どうやら合っていたようですね。
【リリム】
 あっ、堅物!?
 どうしてここに?
【ワイルドドラゴ】
 まぁ、本来はだな。リリムにはいたずらで迷惑をかけた人への
 謝罪を……と言うべきなのだが、一応被害者全員に聞き取りと
 簡単な謝罪は済ませて来た。
 
 こちらが本題なんだが……ノーザンの僧兵の職は辞退してきた。
 まだ見習いの身だったし、ここに仕官させてもらいたくてな。
 あちらも良い方は多かったのだが……。
 ○○殿の下で働く方が、得る物は多そうだ。
【オリヴィア】
 おお、先輩の人徳で人材が集まってくる感じ……。
 いいんじゃないですかね、ワイルドドラゴちゃんの人格と実力は
 私もよく知っているわけですし。
 先輩は、タイ兄さんから人事の裁量権もらってましたよね?
【ワイルドドラゴ】
 おお、ありがたい。
 今後とも、よろしく頼む。
 ……おや、オリヴィア殿。それはあの時の本か?
【オリヴィア】
 ええ、どさくさまぎれでおばあさんから託されてしまったので、
 自分の研究ついでに持ってきちゃいました。
 ……あの人の望みがなんだったのか、明確にはわかりませんが……。
 少しでも希望に沿うことができるといいんですけどね。
【リリム】
 ふ~ん、何か新しい事はわかったの?
 難しい事はわからないけど、興味はあるなぁ。
【オリヴィア】
 タイタニア世界に憑依の技術を伝えた客人は、
 記述をいろいろ調べた限り、どう考えても神魔だとしか
 思えません……共通点が多すぎですね。
 つまり、次元断層はかなり昔からあったらしい、と。
 
 これは、リヴァイアちゃんにも聞きましたけど、
 元々ごくまれに発生することはあるそうです。
 今みたいに頻繁に大きなものが出てくるというのは、
 本当に妙な事らしいのですけれど……。
【リリム】
 私も、なんだか気が付いたらノーザンの宮殿のはじっこに
 ぽろっと出てきていたわけだから、その子も偶然落ちてきた
 感じなのかな?
【オリヴィア】
 かもしれませんね。
 ただ、その結果……どういう意図でこの方が憑依の技術を
 タイタニア種族に渡したのかまではわかりませんけれど……。
 この方が指揮を執ったわけでもなさそうですけど、犠牲も……。
【ワイルドドラゴ】
 オリヴィア殿、今何か落としましたよ。
 ページが痛んでいたのでなければ良いが……これは、写真……?
【リリム】
 なになに、写真って……きれいな絵ね?
 え、これって人の姿を映しとる技術なの?
 すごく精巧な似顔絵とかじゃないのね……へー!!
【カグヤ】
 ……!
 マスター、オリヴィアさん。この写真の中に……。
 私が、見たことがある人物が写っています。
【オリヴィア】
 えっ?
 この写真最近の物……いえいえ、あのノーザン市街地に
 ずっと仕舞い込まれていたものに、最近の写真が挟まる
 余地なんてどこにもないし……ど、どの人ですか?
【カグヤ】
 中央に写っている、ただ一人タイタニア種族ではない女性……。
 歯車のような部位が見える、一部が機械のような……。
 私は、今までの次元断層の出現現場でこの方と非常に似通った
 人物を目撃しています……。
【オリヴィア】
 ちょっと待って、写真に何か記載は……あった!
 この人ですね、他の場所にも何か……ええと、たしか……
 ここだ……うん……ええと……。
 
 わかった事がいくつかあります。
 この写真の人物は、この本に書かれている「客人」その人です。
 名前は……「クロノス」と呼ばれていたみたいですね。
 でも、こんな過去の人物が何故現代に……?
【ワイルドドラゴ】
 ええと、ざわついているところすまない。
 事情がさっぱり分からないんだが。
【リリム】
 そーよそーよ!
 置いてけぼりはひどいと思わない?
【タイ兄さん】
 なんや、騒がしいな。どないした。
 ……増えとるな、まあええ。
今回の事件のあらましと、今わかった事について説明した。
【タイ兄さん】
 ……盲点だった。
 
 ……せやな、神魔は現代になってポンと湧いたわけでもなく、
 次元断層も昔から一応はあったっちゅうことやな。
 
 それにしても、こんな本があったとはなぁ。
 これは出モノやで……借りてってええか?
【オリヴィア】
 所有権は、あくまでもリリムさんにあるんですから、
 勝手に持ち出したりしないでここで読んでくださいね?
 それに、私も研究に使わせてほしいので!
【リリム】
 ぜーったい、汚さないでよね?
 ……ってナニあの禍々しいイキモノ!?
【オリヴィア】
 まぁ、見た目はああですけど……。
 一応うちの代表なんですよタイ兄さん。
 最近反応がなかったんですけど、ようやく動き出したみたいで。
【リリム】
 キモい……というか、何なのあれ……。
【リリム】
 ま、いいわ。今回は、その、いろいろお世話になったし。
 ○○には、私からご褒美あげる♪
 
 ……はい、これ♪
 いいわね、きっと似合うわよ?

何色にする?
→リリムの小悪魔リボン(黒)
→リリムの小悪魔リボン(赤)
→リリムの小悪魔リボン(白)

「リリムの小悪魔リボン(○)」を受け取った。
【オリヴィア】
 神魔に私達みたいな寿命ってあるんでしょうか?
 もし、次元断層の発生源がこのクロノスという人だとしたら、
 この人は一体何のために……ううん……わかりません。
 こういう時はパーッと美味しい物を食べに行きたいですね?

Last-modified: 2016-11-23 (水) 22:45:58