#author("2016-11-23T14:45:56+00:00","","")
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*タイニー・かんぱにー~憑依研究編~ ログ 【月からのまれびと】 [#x14af342]
// とりあえず会話ログのみ記述
// できる方は追記願います。
#contents


 【タイ兄さん】
  おお、ようき……。

 【オリヴィア】
  先輩、事件です!

どうしたの?
→新しい服だね?
 うん、新しい服も似合っているよ、と
 伝えることにした。

 【オリヴィア】
  先輩わかってますね!
  「カジュアルウェア(青)」を中心に、「厚底ブーサン(茶)」と
  「カジュアルパンツ(デニム)」でちょっと動きやすくまとめてます!
  これはですね……

 【オリヴィア】
  ……って、今回はそうじゃなくってですね!?
  今までにあった次元断層の発生事件、それに関わる
  重要な容疑者が判明したかもしれないんです!
→何かあったの?

 いつになくあわてているけど、何か事件でもあったの?
 と確認してみた。

 【オリヴィア】
  事件も事件、大事件です!
  いえ、まだ確定とは言えないんですけど、
  次元断層の事件に関わる重要容疑者がわかったかも
  しれないんですよ!
  
  あ、それから、今日のコーデは「カジュアルウェア(青)」を
  「カジュアルパンツ(デニム)」と合わせたアクティブな感じですね。
  色々語りたいですけど、残念ですがそれどころじゃないので割愛です!

 【タイ兄さん】
  しっかり言うだけ言っとるやんか。
  ま、ええ。続きはよ頼むで。

→共通
 【オリヴィア】
  はい、かんぱにーの皆さんには、任務で各地に行くたびに
  次元断層発生前後の事を聞き込みしたりしてもらっているの
  ですけど……その多くの現場で、次元断層が開くちょっと前に
  ある人物が目撃されていることが分かったんです。

 【タイ兄さん】
  ほう、そいつは誰や?
  どっかの国の人間とか、そういう奴か。

 【オリヴィア】
  ああ、いえ。個人名まで特定できたというわけでは
  無いのですけど……外見の特徴が珍しいので、
  おそらくは同一人物だろうと思われます。
  
  冒険者か学者か、そんな感じの雰囲気だったという
  事なのですが、その人物は体の所々が機械のパーツだったようで、
  おそらく最近話に聞くDEMの冒険者だと思われます。

 【オリヴィア】
  冒険者さんにDEMって言う種族の人がいるってのは
  知識としては知っていますし、ドミニオン種族の人たちと
  折り合いが悪いんでしたっけ?
  
  なんでも、DEMの悪い人があちらの世界で暴れているとか、
  なんか、そんなことは聞いたことがあるんですけど……。
  私の知識だと、その程度が限界です。

 【バフォメット】
  この世界も色々とあるのねぇ……。
  ところで、DEMという子たちは機械なの?
  機械のような人なの?
  聞いている限りは後者のように思えるのだけど……。

 【タイ兄さん】
  どっちでもええがな。
  人みたいに喋って人みたいに振る舞えば、
  人と扱っても問題ないんやで。
  裏でなんか企んどるかもしれんけど、それは人も大差ないで。

 【オリヴィア】
  でも、DEMの冒険者さんってたいてい街中では
  ええっと……ノーマルなんとかって言う普通のエミルみたいな
  外見してるじゃないですか。あれだと機械ってわかりませんよね。
  
  それなのに「機械人形みたいな外見」って言われているのが
  引っかかると言えば引っかかるんですけど……。
  それに、次元断層が開くころには現場からいなくなって
  しまっているというのも気になります。動機が分かりません。

 【タイ兄さん】
  この世の中ぶっ壊したい、とかやろか……ないか。
  ガイドマシーン、お茶。

 【タイ兄さん】
  ……そういや、ガイドマシーンはどこや?

 【バフォメット】
  来客対応に出て行ったわよ?

 【バフォメット】
  あら、噂をすればなんとやらね、戻ってきたみたい……あら?

 【タイ兄さん】
  増えよった。

 【オリヴィア】
  ガイドマシーン先輩に二号機が!?

 【ガイドマシーン】
  いえいえ、違いまス。
  こちらの方はお客様ナんですよ。
  それはともかく、皆さン、事件です!

 【オリヴィア】
  あっ、それ私の台詞!

 【ガイドマシーン】
  こちらの方がですネ。次元断層についてこのかんぱにーに
  相談したいことがあると……いくつもの次元断層を調べて
  データを集めているとのことでして。

 【バフォメット】
  ……?

 【オリヴィア】
  あ、はい……。ガイドマシーン先輩と同タイプのガイドマシーンで、
  町の道案内以外の事する個体ってやっぱいるんですねぇ。
  そりゃ、確かに外装だけならトンカでも作ってますけど……。
  この人が例の機械人形……は、ないですよねぇ流石に。

 【タイ兄さん】
  ま、話きこか。
  ワイがこのタイニー・かんぱにー代表のノーデンスタイニーや。
  タイ兄さん、って呼んでええで。

 【ガイドマシーン?】
  はい、初めまして。タイニー・かんぱにーの皆様。
  早速ですが、本題から入らせていただきます。
  
  貴方方が次元断層の調査研究を行っていることは伺いました。
  即時研究を停止し、研究結果を破棄していただけるようお願いします。
  あれは、貴方方が手出しをして良いものではないのです。

 【オリヴィア】
  ……えっ?

 【ガイドマシーン】
  エっ。

 【バフォメット】
  あら?

 【タイ兄さん】
  理由も言わずに要求とはずいぶんな話だ……話やな。
  その話は飲めん。そもそも、お前は何者や?

 【ガイドマシーン?】
  理由……ですか。
  現時点でお答えできることは、以下の通りです。
  ……信じていただけるかどうかは、疑わしいのですが。
  
  まず、貴方方が研究している物は……。
  次元断層という存在は、貴方方の手に負える物ではありません。
  あれは手を出してよい物ではなく、この世界の滅亡を招きかねません。
  だから、研究を停止してほしいとお願いしています。

 【タイ兄さん】
  ガイドマシーン、お前の同型機やろ。
  なんでそんなん連れてきたんや。お帰り願え。

 【ガイドマシーン】
  同型機と言っても今日ガ初対面ですよ。
  アップタウンにイるガイドマシーンの同型のタイプですが……。
  それに、ここしばらくの次元断層の事件について
  その方が詳しく知っているのは事実でス。

 【ガイドマシーン?】
  これは、私欲などから発したものではありません。
  貴方方は破滅を招きいれようと……。

 【タイ兄さん】
  ○○、
  こいつ帰ってもらってや。仕事の邪魔やで。

 【バフォメット】
  んー、あらあら?

 【オリヴィア】
  どうしたんですか、バフォメットさん?

 【バフォメット】
  えっとねぇ、なんだか話が……。

 【ガイドマシーン?】
  仕方ありません。
  万全とは言い難い状況ですが、最悪の場合実力行使もあり得ます。
  省エネルギーモードから、戦闘モードへと移行します。

 【オリヴィア】
  変身したっ!?

 【タイ兄さん】
  機械人形……まさか、本当にコイツか?
  迎撃準備や!

 【バフォメット】
  あ、まってまって~。なんか話が……ねえ、
  ○○も、止めてあげて?

確かに、何かおかしい……?
→前提条件がかみ合ってないのでは?
 聞いていると、どうも現状に対する認識が
 違っているのではないかという事を伝えた。

 【タイ兄さん】
  何言うとるんや。コイツ自分の邪魔する相手を
  潰しに来た商売敵か、ワイらが追ってる犯人かもしれんで?

 【機械人形?】
  貴方方は、次元断層を利用しようとしているのでしょう?
  私は次元断層を利用しようとは思いません。
  ただ、それを止めたいだけなのです。

 そもそも、このかんぱにーは次元断層が勝手にできたので
 それを壊しているのであって、研究しているとは言っても
 利用したりはしていない……と伝えた。

 【機械人形?】
  ……。それは、本当ですか?

 【ガイドマシーン】
  ハい。後でリヴァイアサンさんに聞いていただければ
  詳しくわかると思いますガ、次元断層を探してはいまスが
  それは迷惑だったり事件が起きるからで、むしろ我々は
  次元断層を壊しタり閉じたりする側ですね。

 【機械人形?】
  ……確かに、前提条件が食い違っていたようです。
  私がこの世界で目覚めてから今までに調べた情報か
  判断に誤りがあったのでしょう。申し訳ありません。
  認識を訂正いたします。
→交渉は自分にまかせて

 なんだか話が混乱してきたので、いったん交渉を
 自分に任せてくれないかとタイ兄さんに伝えた。

 【タイ兄さん】
  何言うとるんや。コイツと話してまともに通じるとは思えんが……。
  叩き出すのはその後でもええか。
  よし、ワイは敏腕経営者や、この仕切りお前にまかすで。

 【機械人形?】
  貴女は、あの不思議な生き物と違って理性的ですね。
  この世界は未知の事柄ばかりですが、言語が通じる事と
  話が通じる方が多いのは助かります。

 まず、止めて欲しい研究とは何を指すのか。
 その定義を明確にしてほしい、と伝えた。

 【機械人形?】
  はい、止めて欲しいのは次元断層を開き、利用する事と
  それに関する研究全てです。
  私が目覚めてから今までに調べた複数件の次元断層発生に関して、
  全ての箇所でこのかんぱにーのメンバーが関わっていることが
  判明し、ここでその研究がおこなわれていると聞きました。

 【タイ兄さん】
  ……は?
  次元断層なんぞつくっとらんわ。

 【機械人形?】
  ……え?

→共通
 【バフォメット】
  うん、やっぱりその子、私の同類みたいね。
  随分と感じが違うから疑っていたのだけど……。

 【機械人形?】
  同類……?
  貴女は私の同型機ではありませんが、それはどういった
  意味なのでしょうか。

 【オリヴィア】
  この人も、神魔なんですかね?
  ええと、すいませんけどお名前をうかがってもいいですか?
  私はオリヴィア、今お話ししてたのがバフォメットさんと、
  ○○先輩です。
  
  ええと……あなたは、次元断層の事件を調べていて、
  そこに大抵うちのメンバーがいたことと、かんぱにーで
  次元断層の調査研究をしていると聞いたから、ここで次元断層を
  作り出していると判断した……という事ですよね?

 【カグヤ】
  はい、その認識であっています。
  自己紹介させていただきますね。
  私はカグヤ、月面に設置された広域ナビゲーションユニットの
  ヒューマンインターフェース……だったはずのものです。

 【オリヴィア】
  げつめん? 月の、表面?
  お月さまって、あの夜のお空に浮かんでるあれですか?

 【タイ兄さん】
  あんなところに、人がいるわけ……。
  いや、お前の言う月ってのは、どこの月や?
  あの月なんか?

 【バフォメット】
  ……どうやら、私たちと同じところから来たというのは
  間違ってないと思うのだけど……その子、その前にも
  別のどこかにいたのかしら?

 【カグヤ】
  この世界は、私の所持するデータには存在しない物です。
  なので、私が言う月はこの世界に存在する衛星とは別の物です。
  何故、ここに来たのかは私にもわかりません。
  
  この世界でエミルと呼ばれている種族は、私が知る人間に
  非常によく似ていますが、タイタニアとドミニオンについては
  私の知らない生命体です。そこに居るタイ兄さんと名乗った……。
  猫か犬かも判断の付かないけれど、知性のある生命体もです。

 【オリヴィア】
  ねこってなんでしょう……犬はまぁ、わかるんですけど。
  カグヤさんのいた世界には、そういう生き物もいるんですね。
  ええと、ナビゲーションユニット、までは意味は分かるんですが、
  ヒューマンインターフェースってなんでしょう? 受付の事?

 【カグヤ】
  私は大規模な区域の交通をナビゲートし、人々が事故を
  起こさないようにする役目を持つ大きな機械の一部でした。
  分類としては人造人間ですが。
  人の形をして、人に案内をする役割を持つパーツ。それが私です。

 【バフォメット】
  ううん……お姉さんもこんがらがってきたわね。
  私と違って、明確に元に居た世界を持っている子なのね。
  それにしても、人造人間……って、キカイなの?
  こういう子は初めて会ったわね……。
  
  貴女、次元断層に落っこちてこちらに来たのではないの?
  いろいろ教えて欲しいのだけど。

 【タイ兄さん】
  いや、その話は後にしてくれ。
  カグヤやったか?
  お前、次元断層の研究を止めろいっとったな。
  世界の崩壊を招きかねないと。

 【カグヤ】
  はい、言いました。

 【タイ兄さん】
  お前、今はともかく、もとは人に奉仕するために作られた存在やな?
  なら、ここに来た理由も人を守るためとかか。
  そのお前がああまで言い切るってことは何や?

 【カグヤ】
  ご説明いたします。
  私が作られた世界、私が本来いたはずの世界……。
  この世界でどう呼ばれているか、知られているかはわかりませんが、
  私が「地球」と呼んだその世界は、滅びました。

 【タイ兄さん】
  ……。
  詳しく聞かせてもろてええか?

 【カグヤ】
  ええ、構いません……が、そちらの方は?

 【リヴァイアサン】
  あ、私のことは気にしないで。
  なんかざわざわしてるから気になっただけ。
  続けて続けて。

 【バフォメット】
  あら、ちょうどいいわ。
  リヴァイアサン、貴女次元断層を渡って色々な世界に
  行ったことがあるのよね?
  カグヤちゃんのいた「地球」って言う世界に行ったことはある?

 【カグヤ】
  次元断層を、渡る……?
  貴女は次元潜航能力を持つ生命体なのですか?

 【リヴァイアサン】
  あー、この子、別の次元の世界の生まれ?
  ちょっと面白い作りしてるね。
  で、お答えすると、「地球」って世界は私は知らないけど、
  行ったことがあるかどうかは不明。たいていの世界では、
  他人と交流することもまれだからね。
  
  で、カグヤだっけ、君の質問に答えると、そうだよ。
  かしこまった言い方をされるとなんか不思議な気分だけど、
  私は……そうだね、この世界で言うとお魚さんが海の流れに
  乗って泳げるように、次元の流れを読んで泳げるんだ。
  
  なので、色々な世界に行ったことはある。
  大半は、生命の存在しない世界だったけどね。
  元々、物質がない世界にいたから、物質がある世界に行くのは
  面白くてね。その一環でこの世界にも来たんだよ。

 【カグヤ】
  ……もしかしたら、「あれ」も近い存在なのかもしれません。
  貴女ほど、理性的でも小柄でもありませんでしたが。
  あれは……まさに、天災とでもいうべきものでした。

 【リヴァイアサン】
  あれ、って?

 【タイ兄さん】
  何やケルベロスの奴も似たようなこと言ってへんかったか?
  次元断層閉じないとあかんって奴。

 【カグヤ】
  私たちは、あれに名前を付けてはいませんでした。
  最初は別のことが不可解な病気として現れたために、
  そちらの対処だけで手いっぱいになり……
  気付けたかもしれない予兆を見逃していたんです。
  
  最初、研究者が急に人が変わってしまう事件がありました。
  その頃、地球は様々な資源が尽きかけていて、そのために
  次元の向こう側に行って資源を探すことが研究されていました。
  次元断層を生み出すための……研究です。

 【ガイドマシーン】
  カグヤさんの世界では、そんな研究ガ……。
  もしや、ここで起きている事件はカグヤさんの世界から
  来た他の神魔が引き起こしていルのでは?

 【カグヤ】
  それは、ないと思います。
  何故なら、研究者たちは全員消えてしまったのですから。
  
  先ほども言った通り、その病気は広まりましたが、
  それが原因で地球が滅びたわけではないのです。
  それでも研究が進み、次元断層を作り出す技術が安定化して
  実用段階までもう少しという時に……研究所が消滅しました。
  
  私が月面から観測したのは、突然研究所の周辺で質量が大きく
  減少して、ぽっかりと大きな穴が開いた事。
  研究所から発されていたいくつもの通信も全てその瞬間に途切れ、
  一切の連絡がつかなくなったこと。そして……。

 【オリヴィア】
  もしかして、それって……。

 【カグヤ】
  私は観測したデータでしかお話しすることはできません。
  研究所を含むその地域は、人も、草木も、河川も、大地も、
  全て消滅して……入り込むことのできない、計測不可能な
  空間になってしまいました。
  
  当時、残っていた人々はそこを虚無と呼びました。
  そして、何か実験で失敗したのだろうと考えました。
  悲劇ではあるけれど、もうこれで終わりだろうと。
  ……そうではないことが分かったのは、数週間後です。
  
  それから、あっという間に大地から、人が生きることができる
  エリアは無くなっていきました。そこに住む、多くの人々と共に。
  私は、元々は地球のある地域の人々の神話にあやかって名付けられた
  機械にすぎませんが……空から大地を確認し、調べ続け、
  残された人々にどこに無事な場所があるかを伝え続けました。
  
  人々は、機械にすぎない私に感謝をしてくれました。
  私を頼ってくれました。その期待に応えるべく、出来る限りの
  事は行いましたが……最後には、全てが消滅しました。
  私は、仕えるべき人々を、護るべき人々を失いました。
  
  それから、どれくらいたったのかはわかりませんが、
  私を動かすためのエネルギーが尽きて、永い眠りに入った
  はずだったのですが……再び私が起動したとき、
  私は、この世界のアップタウンとよばれる場所に居ました。
  
  大型の工作機械を背負った少女が、近くを通過しました。
  それが最初に知覚した物体であり、人間です。
  しばらくは、それが何を意味するのか分かりませんでした。
  どうにか動こうとして、気が付けば、このガイドマシーンの体に
  収納されている自分に気が付きました。

 【バフォメット】
  ……辛い事を言わせちゃったわね。
  カグヤ、貴女は偉いわね。辛い結果になってしまったけど、
  貴女が人々から崇められたのも無理はないわね。
  きっと、ただ助けてくれる機械や召使というだけではなく……。
  みんな、貴女のことが好きだったのよ。

 【タイ兄さん】
  ……。お前んとこは間に合わんかったか。
  ま、ええ。敵やないなら協力もできるやろ。

 【オリヴィア】
  なんてこと……って、その大型の工作機械って、
  もしかしてフォックストロットちゃん?
  という事は、カグヤちゃんがこの世界に来たのは、
  イザナミさんがかんぱにーに来た頃……という事でしょうかね。

 【リヴァイアサン】
  それって、もしかしてあの時イザナミがあけまくった
  次元断層から来ちゃったってことじゃないかな?
  ……まぁ、それはともかくとして。
  
  悲劇だ。安っぽい言葉だけど、悲劇としか言いようがない。
  そして、カグヤには悪い知らせと良い知らせがあるんだけど、
  その前に念のため確認しておきたいことがある。
  ……それ、「くじら」みたいな形の存在じゃなかったかな?
  「くじら」で通じるかわからないけど。

 【カグヤ】
  ……貴女の言うくじらと、私の言うくじらが同じ物かどうか
  保証はできないのですが……。消滅する間際に届いた通信の
  いくつかには、それに近い言葉が残されていました。

 【リヴァイアサン】
  ……。原因が同じかどうか、それと同じ物かどうかは
  わからないけど、この世界にもそれっぽいのは居る。というか、ある。
  それが悪い知らせ。で、良いお知らせなんだけど、そのくじらは、
  原因は不明だけどかなり長期にわたって、動きを止めているよ。

 【リヴァイアサン】
  だから、焦ってどうこうする必要はないと思うよ。
  もちろん、次元断層を作り出している他の誰かを探すことは
  必要だとは思うけどね。以上、私からの説明おわり。
  後は○○ちゃんに任せたよ。

 【カグヤ】
  ……誤解していたとはいえ、まるで事件の犯人のような扱いを
  してしまったのは事実です、申し訳ありませんでした。
  貴方方が行っている、次元断層を発見次第破壊するという
  行為は、この世界を守るためにとても有用だと思われます。
  では、私はこれで失礼いたします。

 カグヤはどこか行き場所があるのか、特に決まっていないなら
 かんぱにーの仕事を手伝ってもらえないか、という事を頼んでみた。

 【カグヤ】
  ……宜しいのですか?
  私としても、このかんぱにーに協力することは望ましいものと
  判断します。その……今後とも、宜しくお願いします。

 【オリヴィア】
  わっ、宜しくお願いね、カグヤちゃん!
  そういえば、そのガイドマシーンってどこにあった奴?
  話を聞いてる限りだと、アップタウンのどこかにいるガイドマシーン
  だったりする……?

 【タイ兄さん】
  元の場所に戻しておかなアカンな。
  オリヴィア、素体用意してやってや。

 【カグヤ】
  素体?

 【バフォメット】
  詳しいことは、後から教えてもらえるわ♪
  まずは、お友達になった記念に一緒に食事でもどうかしら?

 【タイ兄さん】
  まあええけど、勤務時間中やで。
  
  あ、せや。カグヤ、お前どうやって事件調べた?
  うちはオリヴィアとリヴァイアサンが組んで作った
  次元断層を探すレーダーがあるけど、
  他の方法でなんかわかったりするんか?

 【カグヤ】
  この世界で、私が確認できたいくつかの事例から、
  次元断層が発生する少し前に、微弱ではありますが特定の
  電波……と、思われるものが観測できました。
  それを追っていくと、事件の現場にたどり着きますが……。
  皆さんの方が先に現場に到着し、解決していたようです。

 【リヴァイアサン】
  電波って言うのがどのような物か判断がまだできないけど、
  私たちのレーダーは出現した次元断層が発する波のようなものを
  受け取るものだから、また別の何かを感知しているんだね。
  ……ちなみに、最後にその電波って言うのを感知したのは
  どこなのかな?

 【カグヤ】
  東の方角です。ただ、微弱な物でした。
  地図を調べた結果、大きな穀倉地帯と都市がある地区が
  該当すると思われます。数日前……ですね。
  微弱な物だったので、次元断層ができてもすぐに消えて
  しまう程度の物ではないかと思いますが……。

 【バフォメット】
  ファーイーストシティの辺りよね?
  ……って、スペルキャスターたちが今、
  別のお仕事で向かっているところじゃない?

 【タイ兄さん】
  ……他に誰がいっとるんや?

 【ガイドマシーン】
  ホワイトファングさん、シナモンさん、そシて
  スペルキャスターさんの三名です。
  農場の厩舎で妙な事が起きて、その原因調査の依頼でス。

 【バフォメット】
  スペルキャスターとそれに他の子も心配だわ。
  すぐに、現地に向かいましょ!

 【オリヴィア】
  ファーイーストではここ最近レーダーに反応は
  出ていないですね……という事は、まだできていない?

 【タイ兄さん】
  ふむ……。何もないとは思うけど、
  ○○、バフォメット、
  ちょい現地にいってくるんやで。

 【カグヤ】
  私も、同行します。
  現地でわかることも有るかもしれません。

 【オリヴィア】
  わかりました、すぐに素体を用意しますから、
  ちょっとだけ待っていてくださいね!

では、準備出来次第……
→移動開始!

 【???】
  今回も、きっとダメだろう。
  そう予想できているのに、私は外に出る。
  体の節々が軋みをあげる。
  元々、壊れかけていたのだから、ここまでもってくれただけでも
  感謝しなければいけないのかもしれない。
  
  もう失いたくない。二度と失いたくない。
  あんな気分になるのは、一度だけで十分なのに。
  未来のために、誰かのために、
  そんな言葉を口にできたのは、私が未熟だったからなのか。
  それとも……。

 【カグヤ】
  ここがファーイーストシティ、自然が豊かな場所ですね。
  食糧生産もかなり良好な状態に思えます。
  バフォメットさんが言っていた、かんぱにーのメンバーは
  どこにおられるのでしょうか?

 【ホワイトファング】
  ○○、何故ここに?
  何かあったのですか?

 【スペルキャスター】
  バフォメットも……お迎え……?

 【バフォメット】
  スペルキャスター!無事なのね、良かったわ♪
  うふふ、ちょっとみんな心配になってね。
  別の調査もあるんだけど、会えてよかったわ♪

 【シナモン】
  ねえねえ、聞いてよ!
  色々あったけど、仲間が増えたの。
  この子、モックーちゃんって言うんだよ!

 【ホワイトファング】
  厩舎にお化けが出るなんて言うから、一体何かと思えば……。
  結果、この子が野宿していたのを目撃した誰かが、
  お化けと勘違いした、という事でした。
  人騒がせではありますが、何もなくてよかった。

 【モックー】
  いやー。とんだ勘違いで捕まるかと思ったけど、
  まさかこんなにいっぱい仲間がいるなんて知らなかったなー♪
  キミたちもかんぱにーの人なの?

 【モックー】
  ……って、あれ? キミは人間?
  他の二人は……人間とは、違うみたいだね。
  えー、ヤだなぁ。人間いたんだー。
  どうしよう、かんぱにー行くのやめよっかなぁ。

 【シナモン】
  ええっ!?
  せっかくお友達になれたのにー!?

 【スペルキャスター】
  モックーは……人間、嫌い……なの?

 【モックー】
  嫌いだよー♪
  そうだねー、嫌いというか、不快?
  アルマのみんなや、そこに居る人間とは違う二人はいいけど……。

 【カグヤ】
  ……こちらの世界にも、色々な種族がおられるのですね。
  私には正直、まだ差がわかりません。

 【バフォメット】
  何があったのかしらね?
  元気で明るい子みたいだけど、なんだか根深い感じよ?

一つ聞きたいんだけど……
→なんで人間が嫌いなの?


 【モックー】
  えっ?
  わかんないの? みんなそういう気持ちじゃないんだ。
  とは言っても知らないもんねー。無理もないかー
  
  えっとさ、アタシってもとはマリオネットになるはずでさ。
  だけど、何があったかわからないんだけど、
  失敗作だか不用品として海に捨てられちゃったんだよね。

 【スペルキャスター】
  えっ?

 【モックー】
  トンカの上の方から捨てられて、潮に流されてたどり着いたのが
  大陸の洞窟ってとこでさ。そこにはアタシみたいに捨てられた
  なりそこないがいっぱい流れ着くみたいでさー♪

 【ホワイトファング】
  確かに、大陸の洞窟に人形のモンスターがいるのは
  知識としては知っていましたけど……。

 【モックー】
  そこからしばらくは、あんまりよく覚えてないんだけど。
  インスマウスとかライギョーとかにお世話してもらって、
  その後は洞窟の中で遊んでたんだよね。
  
  なんか、こんなかっこになったから面白いかなって外に出て、
  色々な所を旅してるんだけどやっぱ人間ってヤだなーって。
  見てるとなんかムカムカするんだー♪

 【シナモン】
  うわぁ。

 【モックー】
  だから、人間と会いたくないから、動物がいっぱいいるところで
  屋根を借りてたんだけどさー。まぁ、人間がなんか怖がって
  ホワイトファング達を呼んでくれたからこうやって会えたんだけど、
  人間って自分勝手だよねー。あはははっ♪

 【カグヤ】
  ……モックーさん、と言いましたか。
  私はカグヤと言います。貴女の置かれた境遇を考えると、
  理解できなくもありませんが……その意見には、私は反対です。

 【カグヤ】
  確かに、貴女を捨てた人間はひどい事をしています。
  そこについては、否定する気はありません。
  ですが、それだけで人間全てを否定するのは間違いだと思います。
  良い部分にも目を向けることはできないのでしょうか?

 【モックー】
  キミは……人間じゃないのに人間の肩もつの?
  どっちかというと、アタシと同じ人形みたいだけど、
  なんで人間好きなの? そっちの方がギモン。

 【カグヤ】
  ……私は、人間に奉仕するために作られました。
  結局、私の故郷の人間は居なくなってしまいましたが、
  あの人たちから受けた良い思い出は、今も記憶されています。
  悪い感情を向けられたこともありますが、それ以上に多いのです。

 【モックー】
  んー、キライな物をキライって言っちゃだめかな?

 【カグヤ】
  そうではなく、全ての人間が悪いわけではないと……。

 【シナモン】
  はーい、はいはーい。そこでいったんストーップ!
  このままじゃ話が終わんないから、ボクの話聞いてくれる?

 【シナモン】
  まずカグヤちゃんだっけ、君は恵まれすぎてるよ。
  だって、良い事と悪い事を合わせたら、
  良い事の方がずっと多かったんでしょ?
  モックーちゃんは全く逆だし、ボクも似たようなものだし。

 【カグヤ】
  ……貴女も、人間に酷い目にあわされたのですか?

 【シナモン】
  ボクの場合は、まぁ、ちょっとね。
  ずっと叩かれて、シナモン缶とられてたんだよね。
  だから、最初すっごく怖かった。街に出るのとか、
  人と話すのって本当に緊張するしびくびくしてたんだよね。

 【モックー】
  ほらー、多数決多数決♪
  やっぱ人間はイヤだなー!

 【シナモン】
  モックーちゃんも茶化さないでよお!
  ボクは、人間は今でもちょっと怖いけど……嫌いじゃないよ。
  ○○ちゃんは、ボクに酷い事を
  しないし、守ってくれたこともあるし、信用できるよ?

 【モックー】
  えー、個別に判断するの?めんどうじゃない??

 【ホワイトファング】
  そこ、なんでそんなに雑な判断なの……?

 【スペルキャスター】
  キャスターは、人間でも、アルマでも、神魔でも、
  お友達、増やしたい……な。

 【モックー】
  わー。スペルキャスター、凄いよー。
  そんなこと、アタシには想像もつかないなー。

 【シナモン】
  カグヤちゃんは恵まれすぎててモックーちゃんの気持ちを
  全部理解する事はできないと思うし、モックーちゃんは
  最初がひどすぎてあれだけど、カグヤちゃんの意見を
  否定はできないよね?
  好き嫌いは言ってるけど、間違ってるって言ってないし。

 【バフォメット】
  ○○。
  シナモンは本当にタフでいい子に育ってるわね♪
  相方がスパルタ気味でちょっと問題かと思ったけど、
  ワルキューレの言う勇者としての魂が育ったのかしら?

 【シナモン】
  トンカのあの高い所から海に捨てられるとか、
  ボクでも正直ドン引きするレベルだけど……。
  最初の印象だけで、全部を判断するのは違うと思うの。
  モックーちゃんは、トンカの崖から人間を投げ捨てたい?

 【モックー】
  どうだろうなー。その時の気分によるかもなー。
  でも、さすがに投げ捨てるのはダメなのかな、どうだろう。
  そうじゃないけどさー……好き嫌いってそういうものじゃない?

 【ホワイトファング】
  いったん話は落ち着いた、という事にして仕事の話に戻していい?
  モックーはわたしたちと一緒に来るのであれば、人間と接することに
  慣れてもらわなきゃいけないのは事実だし、わたしとしても人間は
  悪い人も良い人もいると思うから……見分ける技術を覚えてみない?
  
  少なくとも、旅をするにしても人間のいないところは
  生活するには向かないところばかりなんだから。
  それに……わたしの知る限り、アルマが多くて人間が少ない組織って、
  うちを除けばほんの少ししかないわよ?

 【モックー】
  そうなんだー。
  う~ん、我慢するしかないかー。
  えーっと、名前なんだっけ。正直苦手なんだけど、
  これからはできるだけキライだって言わないように……
  努力……してみ……る。

 【スペルキャスター】
  今、言ってる……。

 【モックー】
  あっ、え!?
  今のは無しでしょー、まあまあ、今の無しでよろしくね!

 【ホワイトファング】
  はい、ではこれでいったんは解決です。

 【ホワイトファング】
  改めて、こちらには何の用できたんですか?
  こちらは案外早く終わったので、必要であれば
  手助けくらいはできますけど……。

 今までの事情を説明して、この近くで妙な事が起きていないか
 調べたいから手を貸してほしい、と頼んだ。

 【ホワイトファング】
  ……はい、状況は複雑すぎて頭がパンクしそうですが、
  調べ物は理解しました。それくらいなら、お安いご用です。

 【スペルキャスター】
  うん、キャスターも手伝う。

 【カグヤ】
  何かわかり次第、こちらからも連絡します。

 【モックー】
  しかたないなー、でも仕事だかんなー。
  じゃ、しゅっぱーつ!

 【カグヤ】
  ……モックー、と言いましたか。
  あの子はある意味、私の鏡のようなものなのかもしれません。
  人々に愛された記憶は、この世界に来ても私の中に残っています。
  でも、あの子には……。
  
  おかしな話ですけれど、機械人形である私からすれば、
  怒り、笑い、好き嫌いを素直に表現出来るあの子は、
  人間そのもののようにも見えるのですけど……難しいですね。

それを言うなら……
→カグヤも同じに思える
→君にも感情があると思う

 カグヤにも、モックーと同じように喜怒哀楽は
 しっかりとあるように思えるのだけど、と答えた。

 【カグヤ】
  私に、ですか?
  そうでしょうか……もし、そうだとしても
  それは、プログラムされた反応です。

 【バフォメット】
  あまり自分を低く見てはだめよ?
  そもそも、貴女は自分を機械だと言っているけれど、
  この世界に来ている時点でもうそれを一歩踏み外しているの。
  予想はつくけど……貴女自身で感じたほうがいいわね。

 【カグヤ】
  ……。この世界は、未知のことが多すぎます。
  この世界に来てから、私の体の組成にも変化があることは
  理解しています。前は、他の機械の体を借りて行動することなど
  そもそもできなかったのですから。
  
  もしかしたら、これが地球の人たちから教えてもらった
  「夢を見ている」という状態なのかもしれません。
  機械である私も、夢を見ることができているならば……
  少し、嬉しいですね。

 【バフォメット】
  夢であり、現実でもあっていいじゃない。
  欲張って生きないと損よ?
  さぁ、私たちも聞き込みに行きましょう♪

 【カグヤ】
  ……という訳で、ここ最近何かおかしなことに
  お気付きになられましたでしょうか?

 【町の住人】
  あー、ピエールんとこの厩舎でお化けが……。

 【バフォメット】
  それは、さっきのモックーのことかしら?

 【バフォメット】
  何か普段と変わったことはありませんでしたか?
  機械っぽい人とか……。

 【町の住人】
  今、目の前にいるけど……。
  ああ、そういえば昨日、子供たちが妙な旅人を
  見かけたとか言っていたけど、キミたちかい?

 【カグヤ】
  いえ、私達ではありません。
  その方でしょうか……その旅人さんは、
  どのあたりで目撃されたかお聞かせ願えますか?

 【町の住人】
  町はずれの方だって話だったな。
  流石に今行ってもいないとは思うよ?

 【バフォメット】
  カグヤ、その電波っていうのは今は感じられるの?

 【カグヤ】
  はい、今は特に感知できません。
  何か感知出来ましたら、即座にお知らせします。

 【バフォメット】
  ……ねえ、カグヤ。気を悪くしないで欲しいのだけれど。
  私、貴女のご主人様じゃないから、そこまで丁寧に接されると
  かえって気になっちゃうのよね。
  かんぱにーに来た時くらいでお話ししてくれると嬉しいわ。

 【カグヤ】
  申し訳ありません、以後……あ。

 【バフォメット】
  そうそう、それ。元々人に仕えるために作られたとは聞いたけど……。
  もっと普通に接してほしいのだけど、ダメ?

 【カグヤ】
  ……わかりました、もう少し、普通にします。
  ただ、その……機能というか、性分のようなものなので。

 【バフォメット】
  ふふっ、大丈夫よ。
  これも私のわがままみたいなものなんだけどね。
  せっかく会えたのだから、お友達になりたいの。
  ね、○○♪

 【カグヤ】
  後は……私の方では感知できませんでしたが、
  かんぱにーのレーダーはどうでしょうか?

 無線機を使って、オリヴィアに連絡を取ってみた。

 【オリヴィア】
  はいはーい、お疲れ様ですタイニー・かんぱにー……って、
  よく考えたらこの無線、かんぱにーの人しか使ってませんね。
  あ、先輩ですか、どうしました?
  
  え、レーダーの反応は……今の所ないですね。
  ガイドマシーン先輩とアスモデウスさんがお茶してるくらいで、
  こちらは平穏そのものです。

 【カグヤ】
  あの……オリヴィアさん、いいですか?
  実は、先ほど……。

 【バフォメット】
  ああ、モックーのことね。
  それなら、オリヴィアへの説明は任せた方がいいわよ?

 ホワイトファング達がモックーを仲間にしたことと、
 モックーがトンカでひどい目にあっていたらしい事を伝え、
 トンカ出身のオリヴィアは何か知らないか聞いてみた。

 【オリヴィア】
  はー……モックーって、そうやって生まれたんですね。
  そりゃグレますよね……。
  
  過去に、違法なマリオネットをつくって売りさばいたり、
  ゴーレムに悪事を働かせるマリオネストがいた……みたいなことは
  聞いたことがありますけど、一応退治されていますね。
  ただ、今も全くいないかと言われると確証は……。

 【カグヤ】
  待ってください、今、電波を受信しました。
  パターンは先日のものと類似しています、
  これは……次元断層が開いたときに感知したものです!

 【オリヴィア】
  えっ!?
  こっちのレーダーには反応がないですよ!?

場所を確認したのちに……
→移動開始!

 【オリヴィア】
  無線機はそのままつないでいてくださいねー!
  あっ、レーダー反応しました!
  ファーイーストシティ、次元断層開きます!

 【カグヤ】
  次元断層、確認しました!
  あそこにいる男性は……?

 【暴れている男性】
  うああああ……ああああああ……あぁぁぁっ!!
  異議ギギギ魏あがが蛾津……!?

 【野次馬】
  なんだなんだ、あの光ってるの?
  それに、あの叫んでるやつ大丈夫か?

 【ホワイトファング】
  危険です、あの光に近寄らないで!
  距離を取って下さい!

 【モックー】
  うわー、人間がいっぱい。うへー。
  うずうずするからどっか行けー。

 【シナモン】
  後はボクたちがやるから、みんなは避難してーっ!

 【スペルキャスター】
  バフォメット、みんなが危ない……から、その。
  あれ……やって?

 【バフォメット】
  ああ、あれね。
  そうね、今回は許してもらえるわよね。
  はーい、みなさぁ~ん、ちょっと聞いてくださいねー!
  あぶないから、あの光には近づかない事~!

 【カグヤ】
  あれは、集団催眠……でしょうか。
  確かに、この状況下では好都合ですが……。

 【暴れている男性】
  我が蛾があ嗚呼あ……!

 【カグヤ】
  !
  
  いけない、このままでは、
  あの人はあの人ではなくなってしまいます。

 【バフォメット】
  ……それは、どういう事かしら?
  次元断層からやってきた他の神魔に体を奪われる、という意味?

 【バフォメット】
  ……っと、みなさーん、動かないでねー♪

 【カグヤ】
  え?
  いえ、そういうわけではないかと。
  
  かんぱにーでもお話ししましたが、研究者に起きた事例と
  よく似たものに思えます。
  人が変わったように暴れ出し……あれが進行すると、
  元に戻らなくなってしまう……。

 【ホワイトファング】
  確かに、体が変わりません。
  アスモデウスの時も、ワルキューレの時も、
  神魔が体に乗り移ると体を奪われ、
  神魔の身体らしき姿に変身していたのに……!

 【モックー】
  なんか、難しい話してる?
  あれどーするの?
  ダメならほっとけばいいんじゃないかなーって思うんだけど。

 【カグヤ】
  放置もできません、あのままだと、周囲に襲いかかったり
  暴れ続けてしまうのです。どうにかして対処しないと……。

 【モックー】
  そっかー。なら簡単だよ、ほっといたらダメなんでしょ?
  じゃ、一思いにザクッとやっちゃおうよ!
  今なら動き鈍いし、楽にできるよ♪

 【カグヤ】
  いえ、それはいけません。
  あの人は無事に助け出さなければ……!

 【シナモン】
  あー、うん。
  ボクも今回はカグヤちゃんに賛成かなー。

 【モックー】
  えー、なんで?
  今が絶好のチャンスじゃん。

 【カグヤ】
  まずは暴れないように、動きを制限しましょう。

 【ホワイトファング】
  抑え込めばいいの?

 【モックー】
  動けなくすればいいの?
  それなら簡単だねー。(にやり)

 【カグヤ】
  だ、ダメですっ!!
  そんなことをしてしまったら今後あの人の生活が……!

 【モックー】
  もーなんでさーっ!?
  ダメなの!? わーん、めんどくさいよう。

 【カグヤ】
  無事に救うチャンスがあるなら、
  それを狙うべきです! 助ける手段を探さないと……。

 【モックー】
  暴れて邪魔なら、一人くらいいいじゃんかー。もー。
  カグヤは頭硬いよー。先行っちゃうよー!

このままではあの人が……!
→モックーを止める!


 【モックー】
  もー、邪魔しないでよー。
  ただでさえイラっとするのにさ。
  そんなのんきにしてると……ほら来た!

 【暴れている男性】
  うがぁぁあ嗚呼!

 【モックー】
  え、こっち!?

 【モックー】
  はぁ!?
  なんでアタシも助けようとするの?

何故かって言われても
→そういう性分だから
→みんなを助けたいと答える
→共通?

 【モックー】
  はぁ?
  ……アンタみたいな人間もいるもんなんだね。
  そっかー。ふーん。……で、どうするのさコレ?

 【カグヤ】
  解析進みました!
  74%の確率で、次元断層からその男性に、
  今もなお何かが入り込もうとしています!
  迅速な、次元断層の破壊が必要……ですが、これをどうすれば……!?

 【ホワイトファング】
  次元断層を壊すなら、○○が!

 次元断層の破壊なら、手を貸せることを説明した。
 ただ、それにはこの男性を代わりに抑えてくれる人が
 必要になると告げた。

 【モックー】
  なんかよくわかんないけど、この人間を抑えておけばいい?
  いろいろと壊さないようにするのは面倒くさいけど……。

 【ホワイトファング】
  モックー、私も手伝います!

 【スペルキャスター】
  キャスターも……。

 【シナモン】
  ボクもボクも!
  ……って、流石に4人はいらないかな?
  断層は、バフォメットさんに……って、町の人を
  抑えてもらってるから、身動き取れないんだった!?

 【カグヤ】
  私に、何かできることはありませんか!?

カグヤに
→力を貸してもらう

 【カグヤ】
  ……!
  わかりました、何をすべきかは、貴女にお任せします。
  モード変更、権限移譲。
  ○○を管理者として登録します……!

 【シナモン】
  やったぁ!

 【カグヤ】
  今のは、一体……。
  いえ、それよりもあの人を助けましょう!

 【暴れている男性】
  ア……アア……

 【カグヤ】
  大丈夫ですか、意識をしっかり持って……ああ。
  やはり、この症状は……。

 【暴れている男性】
  カエ……キタ……
  ……エッテ……レタ……。カラ……ニ……。

 【カグヤ】
  その体は、貴方の物ではありません。返してあげてください……。
  貴方が、どなたなのかも。私には、わからないけれど……。

 【暴れている男性】
  ア……ナカ……イデ……。
  クロ……ワタ……ダイジ……カラ……。

 【カグヤ】
  貴方は、誰なのでしょう。
  貴方が呼ぶその名前は、誰のものなのでしょう……。

 【モックー】
  あれ、寝ちゃった?

 【スペルキャスター】
  ……誰か、いなくなった……みたい。
  なんだろう……なんだか、寂しい、かも。

 【正気に戻った男性】
  う……ううう、頭が痛い……気持ち悪い……。
  あれ、ここは……さっきの人は?

 事情を説明し、何があったのか聞かせてもらうことにした。

 【正気に戻った男性】
  そこで、機械っぽい感じの人がなんかキカイを
  いじっていたんだよ。なんかブツブツ言ってたけど、
  背中を向けていたから顔までは見ていないなぁ。
  特に、物騒な感じはしなかった。
  
  ちょっとボロッちく見えたけど、あれは多分
  DEMの冒険者だと思うよ。アクロポリスに仕事で行った
  時に、何人か会ったことがあるから……あんな感じだった。
  
  何してるのか気になって、声をかけたんだよ。
  驚かせちゃったみたいで、急に飛びのいて……その人、
  いじってたキカイにぶつかっちゃってさ。
  ぴかーっと光って、それから記憶が……いたたた。

 【カグヤ】
  記憶は、全く残っていませんか?

 【正気に戻った男性】
  ううん……なんだか息苦しくて、溺れているような感覚……?
  ただ、なんだか懐かしいような、寂しいような気がしたんだけど
  あれは気のせいだったのかなぁ。
  
  そういや、あの機械は……うわ、粉々になってる。
  悪いことしちゃったなぁ。
  あの人は……見当たらないか。弁償しなきゃダメかなぁ……。

 【バフォメット】
  町の人にも聞いてみたけど、DEMっぽいって言われても
  それがよくわからない人の方が多いわね。
  旅人はそこそこ来るけど、機械っぽい人についてはあまり
  見た人はいないみたい。隠れていたのかしら?

 【スペルキャスター】
  その人……一人で、キカイを作ってた?
  そのキカイが壊れて、じげんだんそーが、出来た……?

 【ホワイトファング】
  今の所判明している情報から言えるのは、
  相手は個人で、おそらくDEM種族。
  隠れて行動していて、機械を使って次元断層を作り出す……。
  といったところでしょうか。

 【モックー】
  ……ねえ、シナモン。
  次元断層って、さっきのキラキラした奴だよね。
  あれが危ないのって、こういうことが起きるから?

 【シナモン】
  うん。今回みたいなのは初めてだけど、
  もっと危なっかしい怪物が出てきちゃうこともあるんだよ。
  しかも、どこにできるかわかんないし。
  
  それを見つけて、壊したり閉じたりしてるのが、
  今のボク達のお仕事……ってところかな?
  ○○ちゃんが一番詳しいよ♪

 【モックー】
  ふぅん……。インスマウスの里にあんなのができたら、
  インスマウスのみんなが困るだろうなー……。
  よし、アタシも手伝うよ、別に人間なんていなくなってもいいかなって
  思ってたんだけど、他のみんなにも良くないことが起きそうだし。

 【カグヤ】
  ……近隣に、それらしき人物はいないようですね。
  ここでの調査は、これで終了となりそうです。
  次元断層の対処もできましたし、まずはアクロポリスシティの
  アップタウン、タイニー・かんぱにーに戻りましょう。
  
  地形データは全てインプット完了しています、
  ナビゲーションはおまかせください♪

 【ホワイトファング】
  ああ、大丈夫です。
  ここからの道は慣れていますから……えっ。
  カグヤ、何かその……拗ねて、ます?

 【カグヤ】
  ……いえ、別に……。ただ、私はナビゲーションの専門家なので、
  本領が発揮できないのはちょっと……その。

 【モックー】
  あははっ、カグヤって結構かわいいところあるんだね!
  なら、アタシは道を知らないから、カグヤに案内してもらおっかなー♪

 【カグヤ】
  ……はい!
  ご案内します!

 【タイ兄さん】
  おう、お疲れやで。
  メンバーも増えて事件も解決、
  ホワイトファング達もお手柄やな。

 【オリヴィア】
  あなたがモックーちゃんだよね。
  私はオリヴィアって言います、仲良くしてね!

 【モックー】
  えぇ……、まだ人間がいるの?
  アタシ、キミすっごく嫌だなー♪
  なんかね、嫌なにおいがする。

 【オリヴィア】
  ぐふぅっ!?
  笑顔で酷いこと言われるとダメージありますね!?
  なんですか匂いって、お風呂は毎日欠かせませんけど!?

 【モックー】
  なんかなー。嫌な奴に似たにおい……かな?
  大丈夫、嫌ったり争ったりする気はないから、嫌なだけー♪

 【オリヴィア】
  えうー……。
  過去が凄いとはいえ、この子の信頼を得られたって言う
  先輩はどんだけ人間力あふれてるんですか?

 【タイ兄さん】
  オリヴィア、脱線は程ほどにな。
  さて、わかった事をまとめてもらおか。

 【オリヴィア】
  はいはい、では改めて今回あった事や分かった事を
  まとめさせてもらいますね。
  
  次元断層を作り出している犯人は、おそらくは個人。
  その上で、DEM種族の人物である可能性がかなり高いです。
  今回現場にいたという、機械を作っていたDEMらしき人物が
  その本人とみて間違いないでしょう。
  
  先日の各地で次元断層が発生した一件だけは、
  ちょっと例外的なんですが……今までのことを考えると
  組織的に何かしているという事は考えにくいかなと。
  
  期間が空いてるんですよね。それに、一度大規模な断層作成が
  出来たのなら、次に今回みたいな小さい事をやる意味がない……。
  と、思うんですよ。
  だって、出来るとわかったら規模大きくするでしょ?

 【リヴァイアサン】
  確かに、ノーデンスも次元断層の事件が割と危険で、
  神憑依の力を使って破壊できることが分かった時点で
  この部署の予算増やしてたもんね。

 【オリヴィア】
  はい、なので、正体はいまだに不明ですけれど……。
  その個人を捕まえることは可能だと思います。
  当面は、対処のほかにそれが目的になるのかなって思います。
  幸い、DEMの冒険者はそう多いわけではありませんし。

 【カグヤ】
  DEM……というのは、この世界で言う機械の体を持つ種族、
  という認識で合っていますか?
  このかんぱにーにはどの程度いるのでしょう?

 【オリヴィア】
  うちには、まだいませんね。
  機械っぽいというか、ロボットっぽい子なら
  フォックストロットちゃんとかいますけど。

 【カグヤ】
  ……という事は、私が見たあの人物はこのかんぱにーの
  メンバーでは、ないという事でしょうか?

 【モックー】
  あの人物って、どの人物?

 【カグヤ】
  ええと、面識があるわけではないのですが、
  事件現場を確認しに行った時に、何度かすれ違った
  DEM……というのですよね、私と似たような、
  機械的な質感を持った体を持つ方です。
  
  見かけたのは事件が終わった後で、事件について
  町の方に何か質問をしていたようだったので、聞いていた
  情報からかんぱにーの方だとばかり思っていたのですが……。

 【スペルキャスター】
  その人……じゃない、かな……?

 【リヴァイアサン】
  うん、なんかすごくそれっぽいね。
  しかし、事を起こした後で聞き込みをするって言うのも
  なんだか妙な話だね……と、まぁ、この辺は長くなりそうだ。
  顔がわかる人がいてくれるんだから、そのうち捕まえられるかな?

 【カグヤ】
  はい、その際はお手伝いさせていただきます。
  あと、今回は色々とご迷惑もおかけしてしまいました。
  皆様にお詫びと、使われるだけの機械としてではなく……
  人間だと言ってくれた皆様に改めてお礼をさせてください。

 【カグヤ】
  これを……。私の予備パーツですけど、
  飾りくらいにはなると思いますから。

何色にする?
→セレーネキャップ(白青)
→セレーネキャップ(緑)
→セレーネキャップ(赤)


 「セレーネキャップ(○)」を受け取った。

 【モックー】
  ねえねえ、カグヤー。
  アタシもそれやってみたいなー♪

 【カグヤ】
  いいですよ、ただし、一つ条件があります。
  街中で人に対して急に「キライ」とか「いやだな」って
  言わないでくれるなら、教えてあげますけど……。

 【モックー】
  あ~うん、言わない言わない。(ウソ)
  だから教えて教えて!

 【オリヴィア】
  モックーちゃん、私や先輩以外のいう事は聞くんですね。
  ……カグヤさんのおかげで、外部でトラブルを起こすことは
  無くなりそうで安心しました。ええ。

 【タイ兄さん】
  よし、いったん解散やで。
  落ち着いたら、またわかった事まとめてもらおか。

 【オリヴィア】
  では、準備もできたしはじめましょうか。
  しかしまぁ、就職できたとのんびり考えてたら、
  いつの間にか大事になってしまいましたね……。
  ほんとうは、もっとこう呑気に研究だけをですね?

 【タイ兄さん】
  圧倒的に人手も足りとらんし、呑気にできる状況にないのは
  お前かてわかってるやろ。さ、話続けてや。

 【タイ兄さん】
  ……ん、どないしたガイドマシーン。

 【ガイドマシーン】
  代表、その前にお客様デす。
  例の……はイ。全員おそろいデす。

 【タイ兄さん】
  おお、きよったか、案外早いな。ガイドマシーン、お茶の準備してや。
  ○○は、顔と名前がばれると色々と
  面倒かもしれんから……ワイと一緒に顔隠しとくか?
  よし、終わったら客通してや。一応、相手えらいさんやからな。

 【ノール】
  やあ、やあ、ここがタイニー・かんぱにーで良いのかな?
  噂には聞いていたけど、妙な所だねー。
  しかも、このメンバーが揃うなんてね。

 【ランスィ】
  で、この4人を……混成騎士団各軍の隊長クラスを呼び出すとは
  いいご身分じゃない。ノーデンスっていう奴はどこにいるのかしら?

 【ユーク】
  まぁ落ち着け。滾るにはまだ早いだろう。
  少なくとも、この4人を呼び出せる程度には混成騎士団への
  影響力を有した相手という事だ。
  ……あれ、でも市民の陳情があれば呼び出されるな。あれ?

 【タイ兄さん】
  ようきた。ワイがこのタイニー・かんぱにーの代表、ノーデンスや。
  今日はご足労掛けたな。感謝する。
  ちとすまんが、故あって顔は見せられん。
  失礼は承知するが、急を要するかもしれん話でな。

 【ランスィ】
  呼び出しておいて随分失礼なやつね。
  ……聞くだけ聞いてあげるけど、無価値と判断したら、
  そのまま帰らせてもらうわ。

 【タイ兄さん】
  他の連中が得してもええなら、そうすればええ。
  とはいえ、おそらくそこは気にせんでええ。
  全員に得がある……いや、全員が知っておかなまずい話や。

 【イータ】
  (カーテンの後ろ、誰かいますね。冒険者かも……
   もしや、あれが本当のノーデンスさん?)

 【ユーク】
  なら、さっさと話を聞かせてくれ。
  てっとり早く頼む。

 【タイ兄さん】
  オリヴィア、次元断層と、容疑者についての説明頼むで。

 【イータ】
  ……この前の、ファーイーストシティで起きた騒ぎの原因は
  それだった、ということですね。

 【オリヴィア】
  情報早いですね、それつい最近ですよ?

 【ランスィ】
  モーグではそんなこと起きてない……と言いたいけれど、
  それらしき報告は受けているわ。
  軍艦島近辺で起きていたトラブルで見かけられた、
  ドリルを背負った女冒険者って言うのもかんぱにーの人間ね?

 【ノール】
  次元断層、かぁ。う~ん、ボクのとこ以外にこんなに調べている
  組織があるなんて驚きだよ。正直、北軍だってこんなに
  詳しく調査できてるわけじゃなかったんだよね。

 【タイ兄さん】
  うちは幸か不幸か専門家みたいなもんやからな。
  あんたらが知らんようなことも、多分知っとる。
  さて、状況わかってもらったところで、取引の話しよか?

 【ノール】
  つまり、要求は先ほど聞いた「DEMらしき個人」の捜索に
  手を貸してほしいという事と、ここにいる全勢力の情報共有かな?
  ボク一人の判断では難しいけど……みんなはどう思う?
  災害に対しては、混成騎士団は力を合わせる約束だよね?

 【イータ】
  詳細についてはまたあとで詰める必要があると思いますけど、
  私は賛成です。一般の人たちが被害にあうのは避けたいですし。

 【ランスィ】
  なら、決まりね。
  ノーデンス……ふざけた喋り方だけど、面白いわね。
  いずれ本当の顔を見せてもらうわよ?

 【ユーク】
  了解だ。では、こちらからは
  定期的に連絡は取らせるようにしよう、ノーデンス。
  ……姿が見えはしないが、それなり以上に使いそうだな。
  お前、騎士団演習で会ったことは無いか?

 【タイ兄さん】
  おっと、余計な詮索は無しやで。
  ガイドマシーン、お客人をお見送りせえ。

 【オリヴィア】
  はー……タイ兄さん、あんな交渉できたんですね!
  はじめて見ました!

 【タイ兄さん】
  せやで、ワイ、やるときはやるんやで?

 【リヴァイアサン】
  ○○ちゃんを影武者に仕立てたのは、
  正直どうかとは思うけどね。あの4人、明らかにノーデンスの正体を
  ○○ちゃんだと思ってないかな?

 【タイ兄さん】
  勘違いするのはあっちの勝手や。
  名前も割れとらんし証拠もない、まずバレやせんて。
  それに、バレたって勧誘が激しくなるだけやろからな。
  煩わしいだけや。
  
  ともあれ、これで情報の……特に、人手の不足は補えるな。
  ただ、気を付けるんやで。あいつらは背中に国の都合を背負っとる。
  ある程度信用はできるが、全部任せられるかは別なんや。
  その辺が難しいとこなんやけどなー。あーめんどくさ。

 【カグヤ】
  目的のために多くの勢力と協力関係を築くのは大事な事です。
  私に政治はわかりませんが、力を合わせる事と、数が多い方が何かと
  便利だという事はわかります。ただ、分からなかったことが
  いくつかあるのですが、質問させて頂けますでしょうか?

 【オリヴィア】
  はい、いいですよー。
  何でしょう?

 【カグヤ】
  自分でも、この素体に入っている身ではあるのですが……。
  憑依と神憑依とは一体何なのでしょうか?
  私のいた地球には、このような技術はありませんでしたので……。

 【リヴァイアサン】
  あー、これはアスモデウスやワルキューレが話した方が
  いい気もするけど、今はいないから代わりに説明しようか。
  まず、カグヤや私が使う神憑依と、こっちの人たちが使う憑依は
  よく似ているけどちょっと違うもの、だね。

 【オリヴィア】
  では、ご説明しますが、ちょっと長いですよ……。
  
  ……と、長くなりましたがそういうことなんですよ。
  いつごろから知られている技術なのかは、資料がなくて
  明確にはわかってないみたいなんですけどねー。

 過去、アリアやリーリエ、ヒスイたちに聞いた話を思い出す。
 この世界に憑依の技術が広まったのは資源戦争の時代であり、
 タイタニアから伝えられ、ノーザンから広まった技術である
 可能性が高いだろうと思われる。
 
  誰から聞いたか等は伏せ、事実と思われる部分を
 かいつまんで説明した。

 【オリヴィア】
  先輩、なんでそんなこと知ってるんですか……?
  まさか、実家に凄い長生きなおじいちゃんや
  おばあちゃんがいるとか?

 【カグヤ】
  私や、リヴァイアサンさんのような神魔と呼ばれる存在は、
  憑依体という存在であり、身体がない。故に神憑依という形で
  他人や素体に乗り移って体を形成できる……。
  
  逆に、この世界の方々は、憑依できてもその憑依先で
  自分の体を形成することができない……という差があるのですね。
  似てはいますが、違うものなのですね。

 【モックー】
  ねえねえカグヤ、なら、アタシとかが身体を無くして憑依体になれば
  神憑依できるのかなー?

 【リヴァイアサン】
  多分、出来ると思うよ。
  そうじゃなきゃ、私はガイドマシーンを誘わなかっただろうし。
  少なくとも、憑依体になることはできる。

 【カグヤ】
  つまり、神憑依を使えるのは、この世界に体を持たないから?
  もし、神魔が身体を持てば、憑依が使えるようになるのでしょうか?
  ……わかりませんね。

 【オリヴィア】
  タイタニアから伝わった技術。
  ……でも、タイタニアももともと身体がありますよねぇ。
  なら、タイタニア種族が編み出した技術なのか、それとも
  誰かがタイタニア種族に憑依の技術を伝えたのか……。
  
  あー!
  もうこんなの女王ヴェルデガルド本人にでも聞かないと
  わかりませんよー!?

 【タイ兄さん】
  次元断層も追わんとあかんけど、本腰入れてそっちも調べる
  必要が出てきたかもなぁ……神魔の憑依と人間の憑依、
  まさかなんぞ縁でもあるんか……?
  ま、ええ。憑依研究も大事な仕事やけど、今は次元断層や。

 【スペルキャスター】
  うん……みんなが、いなくなっちゃうと、キャスターも、寂しい。
  お手伝い……するよ?

 【タイ兄さん】
  さて、今までわかった事まとめよか。
  カグヤも来たんで、わかった事も増えたさかいな。
  オリヴィア、まとめてや。

 【オリヴィア】
  はいはい、了解しました。
  ここの所状況は一気に動き出しましたので、ざっくり簡単に……。
  とはいきませんが、出来る限りまとめますね。
  リヴァイアちゃん、助手お願い!

 【リヴァイアサン】
  オリヴィアちゃんの助手役になるなら、その分のお手当てが
  欲しいんだけどな……主に床面積的な意味で。
  とりあえず、この前……イザナミがきた時から今までにわかった事を
  まとめると、3つくらいの項目に分かれるかな?
  
  一つ目が、次元断層を作り出している犯人は何者か。
  二つ目は、次元断層が頻繁にできてしまうことによるリスクが何か。
  三つ目は、それって対処できるの? ってことかな。

 【オリヴィア】
  という訳で、まずはひとつめ。
  犯人……というか、今は容疑者と言っておきましょう。
  これは、DEMの冒険者らしき人物がかなり疑わしい状態です。
  ただし、名前も所属もわかっていません。
  
  動機も不明、やっていることと言えば何かのキカイを使って
  次元断層を作り出したと思われる……というくらいですね。
  ただ、一つだけ収穫があったとすれば……。
  カグヤちゃんが、その人物の顔を見ていることです。

 【カグヤ】
  確実にその容疑者かどうかはわかりませんが、この事件に対して
  強い関心を持っている人物であることは間違いありません。
  顔は、記憶しています。……変装している可能性もあるのですが。

 【スペルキャスター】
  キカイ壊れてた、ね。
  その人、不器用……なのかな。

 【モックー】
  あれは確か、あの暴れてた人間が声をかけたらびっくりして
  ぶつかったって言ってたから、その時壊れたのかも?
  まぁ、驚いて機械壊すとか割とドジだなー。

 【オリヴィア】
  はい、そこです。
  容疑者が組織立って行動しているのであれば、次元断層を作り出す
  機械を設置している最中に護衛がいないなんておかしいですよね。
  しかも、見知らぬ人が偶然発見して声をかけている。

 【カグヤ】
  ……単独犯の可能性が非常に高い、と言う事ですね?

 【リヴァイアサン】
  そう。だから、相手の組織力が大きくてどうこう……という事は、
  そこまで心配しなくてもいいとは思う。
  とはいえ、安心できる要素はそんなに多くないんだけどね。
  
  まだ実験段階で、データを取っているだけ……なんて可能性も
  ゼロじゃないし、今までの結果から大きな組織が関わってくる……。
  なんてことも可能性としてはあるんだから。

 【オリヴィア】
  では続いてふたつめ。
  次元断層が開く、開き続けることについてのリスク。
  これは……あまり信じたくないですけど、ケルベロスちゃんと
  カグヤちゃんのお話で、ほぼ確定と相成りました、ええ。

 【タイ兄さん】
  世界の破滅。いや、消滅か。
  
  笑えん。ほんま笑えんなぁ。

 【モックー】
  ……え、ぜーんぶ消えちゃうの?
  はは、何言ってんのタイ兄さん、キモいのはその見た目だけにしなよ。

 【リヴァイアサン】
  うん、モックーが驚く気持ちもわかる。
  来て早々こんなこと言われたら普通は冗談だと思うよね。
  でも、困ったことに世界の破滅ってやつが冗談では済まないと
  判明したんだよね、コレ。

 【モックー】
  ……えぇ、マジ返答きた。冗談じゃないのかー。
  確かに、ファーイーストであれを見たから全部ウソとは思わないけど、
  急に世界って言われても実感わかないなー。

 【カグヤ】
  ……はい、通常はそういう反応を返すものです。
  私がいた世界でも、そうでした。……だから、間に合わなかった。

 【オリヴィア】
  モックーちゃんが来る前に聞いた話なので、改めて説明しますね。
  ……冷静に考えると、これ自体も信じがたい事ですけど。
  まず、カグヤさんは、ここに来る前は別の世界にいた方です。
  そして、その世界はもう存在していないだろうという事です。

 【モックー】
  ……え?

 【カグヤ】
  信じてもらえるかはわかりませんが、本当です。
  最初の予兆は、ファーイーストで見たのと同じように、
  研究者が急に人が変わってしまう事件でした。
  ……次元断層の研究をしていた研究者たちです。
  
  その後、突如大地が、空が、人々が消えてしまいました。
  何か、巨大な生き物にその空間が食いちぎられてしまったかの
  ような形で、虚無だけが残されました。
  ……最初に消えたのは、その研究者たちがいた場所です。

 【リヴァイアサン】
  くじらのような何か、がそれを行ったんだと推測される。
  それについては、イザナミと私が似たものを見ているしね。

 【スペルキャスター】
  ケルたんが、次元断層は閉じなきゃダメっていってたの、
  それ……だから?

 【オリヴィア】
  十中八九、同じ物……あるいは同種の物でしょうね。
  複数の神魔から証言が出ている以上、疑う余地は少ないです。
  バルーンピッグーちゃんからも話を聞きましたけど、
  タイタニア世界には、それと同様の場所があるそうです。

 【カグヤ】
  どうしたらいいのか、わからないままにパニックが起き、
  私が生まれた世界は滅んでいきました。
  私は、遠く離れた場所にいたという理由で、消滅することは
  ありませんでしたが……何も、出来ませんでした。

 【オリヴィア】
  この世界でそんなことが起きたらどうなるか……ですね。
  タイタニア世界では止まっているって聞きましたけど、
  どなたか止めてくれているんでしょうかね?

 【タイ兄さん】
  あれを期待するのはやめとき。
  祈って何とかなるんやったら、カグヤんとこは消えてへんやろ。
  対抗手段をさがさなアカンのや。……今は正直見えへんけどな。

 【オリヴィア】
  という事で、みっつめ、今私たちができることは、
  そのなんかすごい災害がこっちに来ないようにすること。
  つまりは、次元断層ができたらすぐに閉じる!
  そして、次元断層を開けようとしている人を捕まえる事です!

 【リヴァイアサン】
  対症療法だけど、それしかない……かな。
  混成騎士団の協力も得られるみたいだし、
  私たちもがんばらないとねー。

 【タイ兄さん】
  責任重大やな、○○。
  お前には期待しとるで?